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企業がオンラインで商品やサービスを販売するためには、購入者が使いやすく、信頼性の高いECサイトが必要です。
ECサイトは24時間365日営業が可能で、広範囲の顧客にリーチできるメリットがある反面、初期費用や運用コストが掛かり、サイト運営や集客のための知識が必要となります。
本記事では、ECサイト構築の基本から応用まで、分かりやすく解説します。これからECサイトを立ち上げようとしている企業のサイト運営者に向けて、必要な知識を提供します。
企業がECサイトを構築し、運用することの重要性
インターネットが広く普及した現在、ECサイトを経由した事業展開がますます重要になっています。また、海外市場をターゲットにする越境ECとしての運用を見据える動きも強まっています。
ECの市場規模は年々増加傾向にあり、今後はさらに増加することも見込まれているのが現状です。実際、経済産業省がBtoCのEC市場についてまとめた統計※1によると、2013年には11.2兆円だった市場規模が、2023年には22.7兆円と2倍近い規模にまで成長しました。
ECサイト構築のメリットとデメリット
企業がECサイトを導入するには、メリットとデメリットを理解する必要があります。それぞれ解説します。
ECサイト構築のメリット
ECサイト構築のメリットとしては次の4つが挙げられます。
- 総コストを抑えられる
- 実店舗では難しい顧客層へのリーチ
- 24時間365日いつでも運営可能
- Webならではのアプローチが可能
実店舗で運営する場合、家賃や水道光熱費、販売スタッフの人件費など多額の費用が掛かります。一方で、ECサイトは初期費用や維持費用はあるものの、実店舗で必要となるような費用が掛からないため、総コストを大幅に抑えられます。
実店舗には地理的な制約があり、リーチできる顧客が限られますが、ECサイトはインターネットがつながる地域ならどこでも商品を届けられます。ECサイトでは販売スタッフが不要なため、基本的に24時間365日「オープン」しており、深夜や早朝でもユーザの好きなタイミングで購入できる利便性があります。
また、Webならではのアプローチ方法として、ユーザがサイトにたどり着いた経緯や滞在時間などを詳細に分析できます。詳細に分析することで、顧客の行動を把握し、効果的なマーケティング戦略を立案できます。
クーポン機能やメルマガ機能を活用することで、ユーザに適切なタイミングでアプローチし、購買意欲を高められます。
ECサイト構築のデメリット
ECサイト構築のデメリットとしては次の2つが挙げられます。
- Webに関する幅広いスキルが必要
- 集客が難しい
ECサイトを運営するためには、Webに関する幅広い知識が必要です。サイトデザインの知識だけでなく、セキュリティに関する知識も欠かせません。顧客の個人情報や決済情報を扱うため、不正アクセスやデータ漏えいを防止するための対策が求められます。
さらに、商品の魅力を伝えるためには、画像加工や効果的なメルマガの発行、コンテンツ作成といったスキルも重要です。
また、一般的にサイト開設当初は知名度が低く、URLも知られていないため、アクセス数が伸び悩むことがあるでしょう。そのため、検索エンジン最適化(SEO)を意識したコンテンツの作成や、SNSを活用したマーケティング活動も重要です。
ECサイト構築には時間と労力が必要です。
ECサイトの構築方法
ECサイトの構築方法には、Amazonや楽天市場のようなECモールを活用する方法と、自社で構築する方法の2つがあります。
具体的に見ていきましょう。
ECモール
ECモールは、運営事業者が提供するプラットフォームに自社の店舗を出店したり、商品を出品したりできるサービスです。楽天市場のようなテナント型のECモールや、Amazonのようなマーケットプレイス型のECモールがあります。
既に高い知名度を持つモールの場合、ネームバリューがない企業でもある程度の集客を見込めることが魅力です。初期費用も比較的低く抑えられるため、小規模な企業やスタートアップにも適しています。
しかし、ECモールの運営事業者への手数料やモールの規約に従う必要があるなど、独自の運営方法の実施や自由な価格の設定などがしにくいのが実情です。それでも、ECモールは、幅広い顧客にリーチできるメリットがあるため、ECサイトの運営経験を積むための有効な手段と言えます。
自社ECサイト
自社ECサイトは、自社で独自に構築するECサイトです。デザインや機能の設定などの自由度が高く、自社のブランドイメージを強く打ち出せます。
しかし、サイトを構築するにはドメイン取得やサーバの設定、サイトデザイン、セキュリティ対策などに手間を掛けなければなりません。さらに、サイトの立ち上げ後も集客や運営、売上の管理を自社で全て行う必要があります。
モールとは異なり、集客も自分たちで行う必要があるため、SEO対策や広告運用、顧客対応など、効果的なマーケティング戦略が求められます。
ただし、長期的な視点で考えると、自社ECサイトはモールと比べて手数料やサイト利用料を抑えられるため、収益性の高いECサイト運営が可能です。
ECサイト構築サービスの種類とそれぞれの特徴
ECサイト構築サービスには次の種類があります。
- ASP型
- パッケージ型
- オープンソース型
- クラウドEC型
- フルスクラッチ型
それぞれの特徴を解説します。
ASP型
ASP型(Application Service Provider)は、ECサイトの構築や運営に必要となるカートシステムを提供する企業のプラットフォームを、クラウド上で利用するサービスです。自社でサーバを用意する必要がなく、必要な機能がそろっているため、初期費用を抑えられます。
ASP型のサービスには、あらかじめ多くのテンプレートが用意されているため、短期間でサイトを立ち上げられる点もメリットです。手軽にECサイトを始めたい企業や個人にとって、有用な選択肢となるでしょう。
一方で、ASP型は仕様を変更できないことが多いため、独自の要件がある企業には向いていません。
無料で使用できるサービスもありますが、有料版と比較すると機能に制限があるため、注意が必要です。
パッケージ型
パッケージ型は、ソフトウェアを購入して、自社サーバにインストールする形式のECサイト構築方法です。カスタマイズ性が高く、自社のニーズに合わせてサイトを運営できます。パッケージ型を選ぶことで、独自の機能やふさわしいデザインを網羅したサイトを構築できるため、自社のブランドイメージを強化できます。
一方で、提供するベンダーによって機能やデザインが異なるため、選定時には注意が必要です。高いカスタマイズ性を持つ分、導入費用が高額になることが多く、初期投資が大きくなる点にも気を付けましょう。導入費用が高額になるため、ある程度の収益が見込める規模の事業者に適した方法です。
オープンソース型
オープンソース型とは、すでに公開されているソースコードを利用してECサイトを構築する方法です。オープンソースを使用することでソフトウェアライセンスが掛からず、またECサイト構築向けのソースコードを利用することで、開発時間を短縮できます。
一方で、オープンソースを使用する場合、カスタマイズにはコーディングの知識が必要となることに注意しなければなりません。さらに、公開されているソースコードのため、脆弱性が潜んでいる可能性があります。
また、ソフトウェアにバグがあったなどのトラブルが発生した場合、オープンソースコードの開発者には責任を問えないため、自社で問題を解決しなければなりません。オープンソースを活用するためには、オープンソースが持つ特有のリスクを理解し、適切な対策を講じる必要があります。
クラウドEC型
クラウドEC型は、クラウドサービスを利用してECサイトを構築する形式です。クラウドEC型は初期費用が低く、システムの拡張性を指すスケーラビリティが高いため、ビジネスの成長に合わせて無理なく拡張できます。ただし、月額費用が掛かる点には注意しましょう。
クラウドEC型を利用してECサイトを構築する場合、自社でサーバを持つ必要がなく、クラウドサービス提供者が定期的にシステムをアップデートします。最新のセキュリティ対策が自動的に適用されるため、安心感を持ってECサイトを運営できます。インフラ管理やメンテナンスの手間が省けるため、運営に集中できる点と拡張性がある点がクラウド型のメリットです。
一方で、クラウドサービス提供者側がサーバ停止などのトラブルを起こした場合、自社に落ち度がなくてもECサイトがダウンしてしまい、ビジネスが止まってしまう可能性があることに、留意しておく必要があります。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、専門の開発チームがゼロから開発する形式のECサイト構築方法です。完全に自社仕様にできるため、自社のニーズにぴったり合った機能やデザインを実現できます。
しかし、開発費用と時間が大きく掛かることに注意しなければなりません。要件定義から機能仕様、設計、プログラミング、テストを経て構築するため、最も大規模な構築方法となります。
フルスクラッチで構築することで、自社に合わせた機能の搭載や、自社のブランディングを考慮した独自のデザインなど、様々な面で独自性を出せるでしょう。
ただし、OSのバージョンアップや新OSへの対応、セキュリティ対策など、頻繁なアップデートが必要です。また、アップデート作業を行うための専門的な知識とリソースが求められるため、継続的な投資と管理も欠かせません。
ECサイト構築サービスの選び方
ECサイト構築サービスは、構築方法や依頼する会社によって料金プランが大きく異なります。また、仕様の確定やトラブル発生時などにおいて、ECサイト構築サービス側とユーザ企業側のどちらがどこまで責任を持つかなど、契約条件も重要となるでしょう。
将来的な機能拡張性やカスタマイズ性も考慮しなければなりません。サポート体制もサービス選定のポイントとなるでしょう。
ECサイト構築サービスの選び方に関して、具体的な内容を解説します。
料金プランと契約条件
ECサイト構築サービスを選ぶ際、初期費用と運用コストは無視できません。発生する費用が、自社のECサイトが生み出す売上規模に見合っているかを確認する必要があります。
また、決済手数料や振込手数料も重要なポイントです。売上に比例する手数料の割合が高いと、利益率が低下するため、長期的な運営に影響を及ぼしかねません。
さらに、解約時の条件やサポート体制、アップデートの頻度など、契約内容を確認しておくことも、安定したECサイト運営にとって重要となるでしょう。
提供される機能とカスタマイズ性
カート機能や決済機能など、基本的な機能が自社のサービスに合っているかを確認しましょう。基本的な機能が適切でない場合、ユーザインターフェースに悪影響を与えてしまい、想定した売上目標を達成できなくなります。
また、カスタマイズするための機能や拡張機能も、事前に確認しておくことが大切です。自社ECとしての成長を見据え、どの程度の規模まで成長を考えているかを明確にし、そのロードマップに基づいて、将来計画と照らし合わせた機能の確認が求められます。
長期的な検討が十分でない場合、大幅なアップデートが必要になることがあり、追加で大幅な費用が発生しかねません。初期段階から自社のニーズや将来的なビジョンに合った機能を見極めておくことが重要です。
サポート体制とアフターサービス
サイト構築時にトラブルが発生することや、問題に直面することは多くあります。自社にとってブラックボックス化している箇所でトラブルが発生した場合、自社で解決することは難しく、ECサイト運用のスケジュールが遅れる可能性もあるでしょう。
そのため、早急に対応できるサポート体制が整っているかどうかを、あらかじめ確認することが重要です。また、ECサイト構築時だけでなく、サイト運営中のアフターサービスがどの程度受けられるかも事前に確認しておくと良いでしょう。
さらに、サーバ側のセキュリティ対策も忘れてはなりません。ウイルス侵入を許した場合、顧客の個人情報が狙われるリスクがあるため、十分なセキュリティ対策が施されているか確認することが大切です。
ECサイト構築のセキュリティ対策
ECサイト運営にあたっては、顧客情報や取引データを保護し、安心して利用できる環境を提供しなければなりません。具体的には、以下の対策が重要です。
セキュリティ対策 | 内容 |
---|---|
SSL/TLS暗号化 | データの送受信を暗号化し、第三者からの不正アクセスを防止 |
ファイアウォール | 不正アクセスや攻撃からサイトを保護 |
WAF導入、セキュアコーディング | SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)などのアプリケーションに対する攻撃への防御 |
バックアップ機能 | 定期的なデータバックアップを行い、障害時の復旧をサポート |
アクセス制御 | 管理権限を設定し、特定のユーザのみが重要な情報にアクセス可能 |
不正注文対策 | ネットショップで不正な購入を防ぐためのセキュリティ対策 |
次の3つのポイントを詳しく解説します。
- 顧客情報の保護
- サイト防御対策
- 決済セキュリティ対策
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
顧客情報の保護
ECサイトでは、顧客の住所や電話番号などの個人情報、さらにクレジットカード情報などを取り扱うため、顧客情報の保護には特に注意しなければなりません。個人情報が漏えいすることは、ECサイトユーザの信頼を失い、企業自体の信頼低下にもつながります。
個人情報の漏えいが発覚した場合、SNSなどを通じて口コミで広まり、店舗の利用を控えるユーザが出てくる可能性もあるでしょう。漏えいした規模が大きいほど、企業やサイトに対して悪いイメージが強く残り、長期にわたって売上に影響を及ぼしかねません。
信頼性を維持するためには、暗号化通信の導入(SSL/TLS)、ファイアウォールやアクセス制御によるデータベースのセキュリティ強化、定期的なセキュリティ監査などの対策が必要です。
サイト防御対策
ECサイト運営では、サイトを守ることが重要です。悪意のある第三者は、ECサイトのシステムやアプリの脆弱性を突き、攻撃を仕掛けてくる可能性があります。侵入を許してしまった場合、ウイルス感染や情報漏えいが発生しかねません。
外部からの攻撃を受けると、クレジットカードの不正利用や個人情報の漏えい、さらにはウイルスによるシステム停止など、様々な深刻な影響を及ぼします。
対策としては、ファイアウォールの設置や侵入検知システム、侵入防止システムの導入が有効です。また、ソフトウェアやシステムの定期的なアップデートを行い、最新のセキュリティパッチを適用することも欠かせません。
決済セキュリティ対策
ECサイト構築では、決済セキュリティ対策は非常に重要です。特にクレジットカード決済に関しては、情報漏えいに細心の注意を払う必要があります。
割賦販売法の改正※2によって、EC事業者側も注意すべきポイントが制定され、「クレジットカード情報の非保持化」が求められるようになりました。「クレジットカード情報の非保持化」により、EC事業者はクレジットカード番号に一切関与しない仕組みを取り入れる必要があります。
クレジットカード情報を保持する場合は、PCI DSSに準拠することが必須です。また、なりすまし防止のために、本人認証やセキュリティコードの認証などの仕組みを実装しなければなりません。
ECサイト構築の手順・進め方
ECサイト構築は次の手順で進めます。
- 事前準備
- プラットフォームの選定
- デザインとユーザエクスペリエンス(UX)
- コンテンツの準備と配置
- 機能の実装
- テストと最終調整
- 公開と運用
それぞれの手順の詳細を解説します。
1. 事前準備
ECサイト構築の事前準備として、ビジネスプランの策定が必要です。
まずは、ECサイトを作る目的を明確にしましょう。売上拡大が目的なのか、ブランド認知向上を目指すのかなどによって、ECサイトとしての最終的なゴールが定まります。
次に、ターゲットとする顧客層や市場を調査し、具体的なペルソナを設定することが必要です。市場の動向やペルソナが求めている商品が抽出されることで、顧客ニーズに合った商品選定やサイト構築が可能になるでしょう。
さらに、競合サイトの分析を行うことで、自社の強みや弱みが明確化します。自社が他社に対してどの部分で強みを持っているか分析し、自社の差別化ポイントを明確にしましょう。
ECサイト構築として重要になるのは、商品の価格設定、利益率、販売戦略の策定です。最初に定義したECサイトを作る目的と合わせて、どの程度の利益や周知を目指すのかを数値で設定します。市場調査や競合分析の結果を反映させ、競争力のある価格設定と収益性のバランスを取ることが必要です。
2. プラットフォームの選定
事前準備の段階で策定したビジネスプランを基に、ビジネス規模や予算に応じたプラットフォームを選定しましょう。代表的な製品として次のプラットフォームが挙げられます。
- Salesforce Commerce Cloud
- Commerce21 Sell-Side Solution
- Shopify
- Magento
- WooCommerce
- BASE
- カラーミーショップ など
プラットフォームを選定する際は、どの程度の売上を想定しているか、初期投資とランニングコストをどれくらい見込んでいるかを考慮しましょう。
拡張性やカスタマイズの自由度も重要な選定ポイントです。ビジネスが成長するにつれて、機能の追加やデザインの変更が必要になる場合があるため、将来的な拡張が可能かどうか確認しましょう。また、プラットフォームが提供するテンプレートやプラグインの種類も考慮に入れます。
サポート体制の確認も必要で、トラブルが発生した際に迅速に対応してくれるサポートがあると、安定した運営が可能です。
3. デザインとユーザエクスペリエンス(UX)
プラットフォームが決定したら、デザインとユーザエクスペリエンスの検討が必要です。次の内容に沿って検討を進めましょう。
- テーマとテンプレートの選定
- レスポンシブデザイン
- ユーザインターフェース(UI)の設計
テーマとテンプレートの選定
選択するプラットフォームによってそれぞれ独自のテーマに沿ったデザインテンプレートがあらかじめ用意されています。企業やブランドのイメージに合ったデザインを採用しましょう。また、ECサイトのコンセプトに沿ったデザインを新規に準備することにより、より独自性の強いECサイトの構築も可能です。
必要に応じて、HTML/CSSやJavaScriptなどを用いてカスタマイズを行います。カスタマイズによって、さらに企業イメージに合ったデザインへと変更ができ、独自性を出せるでしょう。
レスポンシブデザイン
端末の画面サイズに依存しないサイトデザインを可能とするレスポンシブデザインへの対応は必須です。スマートフォン端末で閲覧できるモバイル対応が、現在のECサイトには欠かせません。
実際、総務省の調査※3によると令和5年段階のスマートフォンを保有している世帯の割合は90.6%と増加傾向が続いています。一方で、PCやタブレット保有状況は下降傾向にあり、ECサイト利用者の多くがスマートフォンを利用していることが予測可能です。
レスポンシブデザインを用いたモバイルファーストの概念はECサイト構築するうえで重要なポイントとなるでしょう。
ユーザインターフェース(UI)の設計
ユーザインターフェース(UI)の設計では、使いやすいメニュー構造を設計し、ユーザが簡単に商品を探せるようにすることが重要です。商品選択から購入までが複雑でわかりづらい場合、ユーザの離脱につながりかねません。
また、高性能な検索機能を搭載し、フィルタやソート機能を充実させることで、ユーザが求める商品に容易にアクセスできます。さらに、ユーザがストレスなく購入手続きを完了できるよう、直感的でシンプルなカートと購入フローを設計することが不可欠です。
4. コンテンツの準備と配置
コンテンツの準備と配置を行います。
商品情報の準備
商品画像は、高品質な商品画像を用意し、複数のアングルから撮影しましょう。魅力的で詳細な商品説明を作成し、SEOを意識したキーワードを盛り込むことが重要です。
その他コンテンツ作成
企業の信頼性を高めるための会社情報ページも作成しなければなりません。また、利用規約とプライバシーポリシーも重要です。法的に必要な利用規約やプライバシーポリシーを掲載しましょう。
FAQのコンテンツも用意することをお勧めします。よくある質問とその回答をまとめたFAQページを作成することで、ユーザが利用方法のわからない場合に容易に参照が可能です。
テストページを作成し、実際に複数人が試用しアンケートをとるなどの方法も効果的です。
5. 機能の実装
機能実装には、決済機能や配送の設定など、様々な機能が必要です。それぞれ次の内容を実装しましょう。
商品・在庫管理 | 商品 | 商品の名前、価格、説明、画像、在庫数などの表示、登録・編集・削除 |
---|---|---|
在庫 | 商品ごとの在庫数の自動更新 | |
購入機能 | カート | ユーザが購入を希望する商品をカートに追加、削除、商品数の変更 |
配送 | 配送日時、受取場所の選択が可能 | |
決済 | クレジットカード、電子マネー、銀行振込など、複数の決済方法に対応する決済サービスをサポート | |
ユーザ管理 | 会員 | ユーザがアカウントを作成し、ログインできる機能、会員情報の管理 |
注文履歴 | ユーザの購入履歴を確認、ユーザの注文状況(例:発送準備中、配送中、完了)をリアルタイムで確認 | |
セキュリティ | セキュリティ | データの暗号化、不正注文検知、脆弱性対策、セキュリティ診断の実施 |
6. テストと最終調整
公開前に必ずテストを実施しましょう。テストは次の内容で行います。
- 機能テスト
- ユーザビリティテスト
- 性能テスト
- レスポンシブテスト
機能テストは、ECサイトとして揃えている、一通りの機能をテストします。商品登録や注文処理、決済、配送などが正常に動作するか確認しましょう。通常の動作だけではなく、エラーにつながりそうなイレギュラーなシチュエーションでのテストも必要です。
ユーザビリティテストとして、実際のユーザを想定したテストも行いましょう。サイト構築に携わっていない人に操作してもらい、使い勝手を客観的に評価します。また、セール時などにサイトのレスポンススピードを維持できるよう、大量アクセスを想定した性能テストを実施しましょう。
PCやスマートフォン、タブレットなど想定されるデバイスでの評価も行いましょう。スマートフォンやタブレットの場合は、iOSやAndroidなど主要なOS別での評価も必要です。
最終調整として、バグの修正や機能改善を行います。テストで得られた評価を基にデザインへのフィードバックやFAQへの反映などを行いましょう。
7. 公開と運用
公開と運用は次の手順で実行します。
- サイト公開
- 運用とメンテナンス
- マーケティングとプロモーション
サイト公開
サイトのテストと最終調整が完了したら、いよいよサイト公開です。取得したドメインを設定し、サイトを公開します。
サイトを公開したら、検索エンジンにサイトをインデックスさせるためのSEO対策を実施しましょう。通常であれば、クローラーと呼ばれるロボットが自動的に巡ってきてインデックス登録されます。
検索エンジンにインデックス登録されることで検索結果に表示されるようになるため、インデックス登録を促すことで、検索結果に表示される状態を早められます。Googleサーチコンソールを活用し、インデックス登録のリクエストが可能です。
運用とメンテナンス
サイト公開後は、商品情報やコンテンツ、ブログ記事などを定期的に更新して商品の魅力をアピールしましょう。更新頻度はSEOに直接は影響しません。ただし、ユーザ目線としては定期的に更新されているコンテンツのほうが見に来る機会も増えるでしょう。
Webサイトからの通知は常に受け取れる状態にしておき、顧客からの問い合わせやクレームに迅速に対応しなければなりません。商品購入の質問や、購入者からのクレームなどもあるため可能な限り早めに対処しましょう。
Google Analyticsなどを用いてサイトのパフォーマンスをモニタリングし、改善点を見つけることも重要です。Google Analyticsを用いて、ユーザがどのような経緯でサイトに訪れ、サイト内でどのような行動を取っているか詳細に分析できます。
分析した結果はサイト内容に随時反映させて、より良いサイトを目指しましょう。
マーケティングとプロモーション
ソーシャルメディアを活用した集客も必要となるでしょう。また、一度購入してくれた方にはメールマガジンやキャンペーンメールを配信し、リピーターを増やすこともポイントです。
新規顧客の獲得には、Google広告やSNS広告を活用して、ターゲット顧客にアプローチする方法も有効です。
ECサイト構築の成功事例
ECサイト構築の成功事例を確認しましょう。成功企業がどのような取り組みを行っているのか、効果的なマーケティング戦略はどのようなものがあるのかを解説します。
成功企業の取り組み
成功企業の取り組みとして、家具専門のECサイトの例を挙げます。
家具は実際に手に取って選ぶことが主流で、オンラインでの販売は難しいとされていました。しかし、自社ブランドを徹底的に磨き、ブランディングを意識したSNS活用やコンテンツマーケティングを実施することで課題解決に成功します。
美しいインテリアの画像をSNSでシェアし、ブログや動画で家具の選び方やコーディネートの提案を行いました。また、SEO対策も徹底的に行い、検索エンジンでの露出を増やすことで新規顧客の取り込みに成功しています。
コンテンツ作りとSEO対策によって、顧客が実際に家具を手に取らずとも、家に置きたいと思わせるような魅力的なオンライン販売を促進し、顧客のファン化に成功しました。
効果的なマーケティング戦略
効果的なマーケティング戦略には、検索エンジンからの新規顧客の流入を促すSEO対策が欠かせません。一度購入してくれた顧客にはメルマガを活用し、SEO対策によってサイトに訪れた見込み客には充実したコンテンツで固定客に変化させる施策も必要です。
ブログ記事や動画コンテンツ、SNSなど様々な媒体を通じて情報を発信し、顧客が視聴者となり、コンテンツを通じて信頼関係を築けるでしょう。
コンテンツのフォロワーが増加することで、口コミでさらに広がっていく相乗効果も期待できます。
ECサイト構築の注意点
ECサイト構築の注意点として次の3つのポイントがあります。
- 要求整理や要件定義を行う
- ユーザ目線のECサイト作りをする
- 検索エンジン最適化(SEO)が必要
それぞれの内容を見ていきましょう。
要求整理や要件定義を行う
要求整理や要件定義を行うことは非常に重要です。
まず、自社のECサイトとして、どのような方向性で長期的にどのような発展を遂げるのかを明確にします。自社の目指すECサイトのゴールを明確にしたうえで、必要な機能や仕様を具体的に定義しましょう。
要件定義をまとめることで、ECサイト構築の方向性が定まり、具体的な要件に基づいて開発を進められます。要件定義が具体的なほど、自社の求めるECサイトに近づけられるでしょう。
また、要件定義と併せて、どれくらい費用を掛けられるのかも明確に決めておくと、開発を依頼される側も機能を提案しやすくなります。
ユーザ目線のECサイト作りをする
デザインにこだわるあまり、見栄えが良くても使いづらいサイトになっては意味がありません。ユーザが求める情報がわかりにくいサイトでは、離脱率が高くなりがちです。
サイト内の導線やユーザの目線の移動を意識し、どの順番で情報が頭に入るとわかりやすいかをよく検討する必要があるでしょう。
サイトをデザインする際には、ユーザ目線を考慮し、ユーザが直感的に操作できるレイアウトを心掛けることが重要です。さらに、ユーザ目線に立ったテストを様々なシチュエーションで実施してフィードバックをしましょう。
検索エンジン最適化(SEO)が必要
ECサイト構築で、SEOは欠かせない要素です。検索エンジンで上位に表示されることは、売上に直結します。適切なキーワードを設定し、そのキーワードで検索したユーザに対して上位表示させることで、サイトの訪問者を増やせるでしょう。
どれだけ魅力的な商品を取り扱っていても、ユーザに知られなければ購入にはつながりません。SEO対策をしっかりと行うことで、検索エンジンからの新規顧客を効果的に獲得し、売上向上を目指せます。
また、継続的なSEO対策を行うことで、長期的な集客効果も期待できるでしょう。新規顧客の獲得には、検索エンジンでの露出を最大限に高めることが不可欠です。
自社にあったECサイト構築サービスを選ぼう
今回は、ECサイト構築について紹介しました。これらの様々なサービスや構築方法、機能を理解したうえで、自社のビジネス展望と照らし合わせた最適な選択をすることによって、より効果的なECサイト運営が可能となります。
ラックのECサイト開発サービスは、ECの黎明期の2000年代初めからECサイト開発に関わっていることが特徴です。そのころから比べると、ECサイト開発の需要も大きく変化しました。
また、コロナ禍の影響で実店舗での販売が思うように行えないことから急遽オンライン販売へ舵を切ることを決断されたお客様もいらっしゃいます。そのため、とにかく最短でECサイトを構築しスムーズに公開するなどのニーズが高まっています。
ラックはそういったお客様の課題に合わせて、適切で柔軟な伴走型の支援を提案いたします。ECサイトのソリューションについて、お悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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