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新たな時代のネットトラブルに備え、「情報リテラシー啓発のための羅針盤」第3.0版を公開

こんにちは、ICT利用環境啓発支援室です。
私たちは、インターネットをより安全・安心に利用できる社会を目指し、子どもから高齢者まで幅広い世代を対象に、啓発講座や効果的な学習方法の研究に取り組んでいます。学校や地域社会、官公庁と連携しながら、最新のインターネットに対応した情報発信や教材開発にも取り組んでいます。

このたび、サイバー・グリッド・ジャパンが2019年に初版を発行以来、版を重ねている啓発冊子「情報リテラシー啓発のための羅針盤コンパス(以下、羅針盤)」が、先に述べた問題点についてさらに内容を増強し、2026年1月に羅針盤として大幅な改訂を行いました。この記事では、改訂に至った背景や、新しくなったポイントをご説明します。

改訂の背景

インターネットの技術やサービスは毎年飛躍的な進歩を続けています。特に生成AIは、仕事や生活、娯楽などさまざまなシーンで広く定着してきたことを実感する人も多いのではないでしょうか。確かに生成AIには、文章や画像を自動で生成し、業務の効率化、創造的な活動を支援するツールとして多くの良い点があります。一方で、誤った情報を生成し、それを事実と信じた人がSNSで拡散した結果、社会を混乱させてしまう問題も現れ始めています。

さらに、インターネット上のお金に関わるトラブルも深刻になりつつあります。サポート詐欺や特殊詐欺、闇バイトなどが横行し、単純に被害を受けるだけでなく、若年層(10~20代)が犯罪の実行役として動員されるケースが増加しています。警察庁によると、特殊詐欺の実行犯(受け子)として検挙された人数のうち、6割以上が20歳代以下の若年層であり、SNSの仕事募集や知人の紹介をきっかけに加害者にさせられてしまう構図が浮かび上がっています。

警察庁「特殊詐欺に犯行利用された番号種別件数の推移及び受け子等になった経緯について」

一方、消費者トラブルについても、各世代の生活形態によってトラブルに巻き込まれるケースがあります。例えば10代はインターネットゲーム、65歳以上の高齢者では迷惑メールや不審な電話、架空請求などを含む相談が上位に入ります。またSNSが関係する消費生活相談件数についても、幅広い年齢層で増加傾向にあります。

消費者庁「消費者白書(2025年版)」

これらの動向は、インターネットサービスの便利さとともに、被害を未然に防ぐだけでなく、「詐欺等の持ち掛けに巻き込まれない知識」や「適切な相談窓口の周知」がますます重要であることを示しています。これらの現状を正しく理解し、良い点を活かしつつ、トラブルや被害から自分自身や家族を守る知識と行動力を身につけることが大切だと私たちは考えています。インシデント(トラブル)を知るだけでなく、自ら対策をとる手順や、いざというときに相談できる窓口を把握することが情報リテラシーの要です。

第3.0版の主な改訂のポイント

「羅針盤」第3.0版では、私たちのこれまでの啓発活動の成果も大きく反映しています。

気づきを呼ぶタイトルの見直し

「羅針盤」では、インシデント(インターネット上の困りごと)を網羅的に整理するため、3分野、37項目のインシデントを挙げています。

第3.0版では、既存のものを含めてタイトルの見直しを行い、読み手の関心の高いキーワードで探しやすくなるようにしました。例えば「SNSに起因する」というタイトルには「SNS(マッチングアプリ等)に起因する」と、具体的なサービス名をタイトルに含め、関連するサービスが一目でわかるよう工夫しています。

旧タイトル 旧タイトル 新タイトル
デマ・フェイクニュースを発信すること デマ・フェイクニュース(偽・誤情報)
炎上させること 炎上
SNSに起因する犯罪被害 SNS(マッチングアプリ等)に起因する犯罪被害
偽警告 偽警告(サポート詐欺等)
有害広告
架空請求・不正請求
有害広告(架空請求・不正請求・SNSを通じた詐欺等)
オンライン売買仲介サービスでのトラブル(インターネット・オークション、フリマにおけるトラブル) インターネット・オークション、フリマにおけるトラブル

新タイトルの追加

2019年の初版公開以降、初めて新たな3つのタイトルを追加しました。

  • 「生成AIの不適切利用」
  • 「特殊詐欺」
  • 「通信販売サイトにおけるトラブル」

いずれもよく耳にするトラブルのキーワードをタイトルに含め、関心を持つ方の目に届きやすい表現にしています。

啓発スライドの増強

別冊「参考スライド集」にも力を入れました。「羅針盤」の理解を深める図表やイラストを掲載し、講座のスライドを制作する際に活用できる素材を多数追加しました。

配布・利用方法

ダウンロード版は当ページのリンクからダウンロードできます。「冊子を手に取ってみたい」「関係者に配布したい」といったご要望がありましたら冊子版もありますので、お問い合わせください。

「羅針盤」と連動したコンテンツのご案内

「羅針盤」は、学んだことを定着させるため、以下のような連動型のコンテンツも用意しています。

楽しみながら学ぼう!カードゲーム「リテらっこ」

羅針盤の内容をベースに、小学生から高齢者まで、幅広い世代の方に楽しみながら情報リテラシーを学んでいただくために作成したオリジナルカードゲームです。SNSのトラブル、デマ・フェイクニュース、個人情報の扱い方など、誰もが身近なところで起こりうるトラブルを、みんなで最適な解決方法を話し合い、理解を深めることができます。すでにいくつかの学校やイベントで実施され、好評をいただいています。

おわりに

デジタル環境に関わる課題がより複雑になり、顕在化しています。デジタル利用における様々な場面の判断や対策検討に最新のインシデント情報をまとめた羅針盤第3.0版をぜひご活用ください。ご要望やご質問は、下記アドレスまでお問い合わせください。

ご連絡先:cgj-compass@lac.co.jp

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