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今でこそ、ラックはセキュリティのプロフェッショナルとして知っていただいていますが、実はSIやアプリケーション開発も得意なのです。業務系システムの受託開発だけでなく、お客様と二人三脚でECサイトを開発した事例も多くあります。有名なところでは、お花を全国に配送するシステムや、ファッション系のECサイトを構築しています。
さて、そのようなECサイトを構築するためのツールは世の中に数多くありますが、今回はSalesforce Commerce Cloud(以下、SFCC)に注目しました。なぜ今、SFCCがおすすめなのかご説明したいと思います。
EC市場急拡大、そしてECサイト構築のトレンド
2020年からのコロナ禍で巣ごもり需要が拡大しました。経済産業省の市場調査では物販系分野のB2CのEC市場規模は急拡大しているようです。ステイホームとなり余暇にお金を使いにくくなった結果、ほしいものをオンラインで買う人が拡大するのは当然ですが、ECサイト構築に関わった私たちからするとお客様のビジネスが伸びることは嬉しいものです。
ラックはECの黎明期から開発に関わっていますが、ECサイト開発の需要も大きく変化しました。コロナ禍により、実店舗での販売が思うように行えないことから急遽オンライン販売へ舵を切らなければならない、差し迫ったお客様の事情がありました。年単位での設計ができない状況のため、とにかく最短でECサイトを構築し、カード決済や物流連携などをスムーズに実装する必要があったのです。
そういった背景もあるなか、私たちは2020年よりEコマースプラットフォームであるSFCCに注目し、同製品のPoC(Proof of Concept:概念実証)やECサイトリプレースに活用しました。
Salesforce Commerce Cloudとは
SFCCとは、セールスフォース・ジャパン社が提供するマルチテナント型クラウドベースの、Eコマースプラットフォームです。Web、ソーシャル、モバイル、店舗などのあらゆるコマースの場面におけるあらゆる取引を統合できるのが特徴です。
B2C CommerceやB2B Commerceなど需要の違いに合わせたコマースプラットフォームが提供されており、B2CからB2B、注文処理、マーケティングなどの一連のサービスが利用可能です。
※ この記事においてはSFCCはB2C Commerceを示すものとしています
B2C Commerceのポイント
カテゴリ | ポイント |
---|---|
顧客体験 | シームレスな購買ジャーニーで買い物客のコンバージョンを促進
|
マーケティングと マーチャンダイジング |
効率的なEコマースアプリで、マーケターとマーチャンダイザーをサポート
|
イノベーション | ヘッドレスコマースを短期間でコストを抑えて実現
|
人工知能 | EinsteinでAIのパワーを活用 -- データサイエンティストは不要
|
拡張性 | ホリデーシーズンのアクセスにも対応するプラットフォームで、容易に短期間で確実に展開
|
顧客体験 |
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シームレスな購買ジャーニーで買い物客のコンバージョンを促進
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マーケティングとマーチャンダイジング |
効率的なEコマースアプリで、マーケターとマーチャンダイザーをサポート
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イノベーション |
ヘッドレスコマースを短期間でコストを抑えて実現
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人工知能 |
EinsteinでAIのパワーを活用 -- データサイエンティストは不要
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拡張性 |
ホリデーシーズンのアクセスにも対応するプラットフォームで、容易に短期間で確実に展開
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※ B2C Commerce | セールスフォース・ジャパンより抜粋
Salesforce Commerce Cloudで実現可能な主な機能
SFCCはECサイト開発の統合パッケージともいえる製品なので、提供される機能も豊富です。商品を魅力的に訴求できることはもちろん、キャンペーンなどの販売促進に必要な機能、お客様の趣向を分析するツールの提供や、それぞれのお客様毎におすすめ商品を提示する機能も提供されます。
ECサイトを構築したい方にとって必要な機能がすべて整っていると言ってよい、そのようなコマースプラットフォームがSFCCです。
SFCCで実現できる主な機能一例
- 製品、価格、カタログ管理
- マーチャンダイジングおよびマーケティングツール
- キャンペーンおよびコンテンツ管理
- 顧客のセグメント化
- サイト検索とガイド付きのナビゲーション
- AIを利用したパーソナライズ
- ソーシャルの統合
- モバイル体験を強化するレスポンシブデザイン
- ワンタッチ支払いオプション
- カートと決済を含むあらゆる機能を搭載したリファレンスアプリケーション
- RESTful APIによる完全な開発プラットフォーム
- グローバルな拡張性、セキュリティ、パフォーマンス
- マルチサイト管理とローカリゼーション
- 検索エンジンの最適化
- ネイティブターゲティングとA/Bテスト
- 店舗向けの拡張機能
ECサイト開発のエンジニアの視点から見たSFCC
実際にSFCCによってECサイトを構築して感じた良かった点と、多機能で容易な実装を可能にするがゆえの課題が見えてきました。
良かった点
- ベースとなるSFRA(ストアフロントリファレンスアーキテクチャ)にカート機能、商品検索機能、在庫管理機能といった多数の機能が備わっており、お客様に機能の動きをお見せしながら開発することができた
- 3rdパーティ(外部連携用)のカートリッジが用意されており、API機能が比較的簡単に実装が可能
課題と感じた点
- 顧客業務がSFRAの仕様に合わせられない場合、カスタマイズ要件が増えてしまいSalesforceCommerceCloudでの開発がフィットしない。顧客業務の7~8割をSFRAの仕様に合わせることが可能な案件で採用することが理想
今後SFCCでの開発頻度が高まるにつれ、さらに印象が変わってくることを楽しみにしています。
Salesforce Commerce Cloudの開発者は少ない
大変有用なSFCCですが、「Salesforce認定 B2C Commerceデベロッパー」の資格保持者は、国内を見ても270名前後と決して充足しているとは言えない状況です。
ラックはこのような現状を踏まえて、「Salesforce認定B2C Commerceデベロッパー」資格保持者の拡大に取り組んでいます。2022年度中には「Salesforce 認定B2C Commerceデベロッパー」の資格保持者数30名を目指し、会社として資格取得に向けた技術者の育成をしています。今後もSFCCを中心としたEコマースサイトのリニューアル案件や新規構築案件に積極的に取り組みますので、SFCCや当社の取り組みに興味がございましたら、ぜひご連絡ください!
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