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マルウェア対策の基本と5つの予防策!感染時の対処フローも解説

マルウェア対策への危機感を抱く企業関係者は少なくないでしょう。クラウドサービスやテレワークなどのIT活用が普及するにつれて、マルウェアの脅威も増大しています。結果として深刻な被害を受ける企業が増えているとの指摘もあります。

しかし、マルウェア対策は多岐にわたるため、どこから始めればよいか迷うこともあるでしょう。

この記事では、マルウェアとは何か、マルウェア対策の必要性、代表的な感染経路、対策法、そして万が一感染してしまった場合の対処法などを包括的に解説します。

全体像を理解すれば、どの領域から対策を始めるべきかの決定が容易になります。

マルウェアとは

マルウェアは業界や企業の規模に関わらずITの世界における主要な脅威の1つとなっています。ここではマルウェアとは何か、そしてマルウェアに対する防御策の重要性について解説します。

悪意のある第三者によるサイバー攻撃の一種

マルウェア(Malware)とは、JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)の定義によると、「不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称」です。※1

マルウェアには多種多様な形が存在し、以下の表はその代表的な例を挙げたものです。ウイルスやランサムウェア、トロイの木馬など、よく耳にするこれらの名称も実はマルウェアの一種であることがわかります。

種類 概要
ウイルス 他のプログラムに寄生して不具合を引き起こす
自分自身のコピーを複製して感染、拡散する性質がある
ワーム 独立型のファイルで、他のソフトウェアやプログラムに不具合を引き起こす
ウイルスと同じく自己増殖の能力も備える
ランサムウェア コンピューター内のファイルを暗号化する
ファイル復元を条件に身代金(ランサム)を要求する手口に用いられる
トロイの木馬 良性のプログラムを装い、悪意のある処理を行う非複製型プログラム
スパイウェア 感染したパソコンの内部データを外部に送信する
キーロガー キーボードの操作情報を外部に送信して、IDやパスワードなどの情報を奪う
バックドア サイバー攻撃者の侵入経路を開く
ボット 感染したコンピューターを遠隔操作する
例えばLinux搭載のIoT機器に感染してデバイスを乗っ取る「Mirai」などがある

企業のマルウェア対策は必須

ITを活用する場面が日常や仕事のなかでも増え続けているなか、マルウェア対策は極めて重要といえます。

経済産業省が公開している『情報セキュリティ管理基準(令和7年改正版)』※2のなかでも、「マルウェアに対する保護」のための管理策基準が定められています。情報セキュリティ管理基準は、組織体が効果的な情報セキュリティ体制を確立し、必要な管理策を整備・運用するためのガイドラインとして設けられました。

また、ラックの『LAC Security Insight 第16号 2026 春』によると、2026年1月から3月の「サイバー119」の出動傾向では、マルウェアによる被害の相談が32%を占めています。前四半期(2025年10月から12月)の31%、およびや前年同期(2025年1月から3月)の35%と比較しても引き続き高い割合となっています。このことから、マルウェア被害はインシデントの中でも大きな比率を占めており、対策の重要性が高いと考えられます。

近年はサイバー攻撃が高度化、巧妙化している上に、スマートフォンやタブレット、IoT機器などネットワークにつながるデバイスが増えています。過去にサイバー攻撃を受けていなかったとしても、マルウェア対策は常に強化し続けることが求められます。

マルウェアによる感染被害の経路例

マルウェアに感染しないためには、まずマルウェアがどのような経路で侵入してくるのか、具体的に知っておく必要があります。

メールやWebサイトによる感染

一般的によく知られている経路では、電子メールの添付ファイルにマルウェアが含まれており、ファイルを開くことで感染するケースです。

特に特定の企業を狙った標的型攻撃メールでは、いかにも業務に関係がありそうな件名や署名、ファイル名にしているため、不正ファイルと判断できずに添付ファイルを開いてしまいマルウェアに感染してしまいます。実際、標的型攻撃メールによる被害は近年頻発しており、多くの政府機関から注意喚起が行われています。

また電子メールの添付ファイルではなく、メールに記述されたWebサイトへのリンクを開くことでマルウェアに感染するケースもあります。最近ではサイバー攻撃者がGoogleカレンダーなどにアクセスしてリンクを書き込み、マルウェアのあるWebサイトに誘導する、といった手口も発生しており手段が巧妙化しています。

攻撃に使用されたメールの例
攻撃に使用されたメールの例
今さら聞けない!情報窃取型マルウェアの内部動作とJSOCの検知傾向より引用

ソフトウェアやアプリケーションによる感染

悪意のあるソフトウェアやアプリケーションと気づかず、インストールしてしまうケースもあります。例えばWebサイトを閲覧した際に、「あなたのパソコンはウイルスに感染しています」などのメッセージを表示して、偽のウイルス対策ソフトをインストールさせるなどです。

ソフトウェアなどから感染させる手口は、一般的に、公式ストアや実績のあるソフトウェア流通サイト以外からダウンロード、インストールさせるケースが多い傾向があります。例えば従業員が非公式サイトや信頼できないサイトからフリーソフトウェアやアプリケーションをインストールしてしまい、マルウェアに感染してしまった、というケースもあるでしょう。

リムーバブルメディアによる感染

リムーバブルメディアによる感染はUSBメモリ経由でマルウェアに感染するケースです。

かつてはパソコンにUSBメモリが接続されると「autorun.inf」ファイルが自動実行される設定が標準でした。現在のWindows環境ではデフォルトで無効化されていますが、設定変更や古いOS環境では依然としてリスクがあります。この仕組みを利用してマルウェアに感染させる手口が存在します。

またファイルを開かせてマルウェアに感染させる方法もあります。例えばマルウェアに感染しているUSBメモリを社内で使ってしまい、マルウェアを拡散してしまったというケースは少なくありません。

フィッシング攻撃による感染

ユーザーをだまして偽のWebサイトにアクセスさせ、そこで入力された情報を盗むフィッシング攻撃の中には、マルウェアをダウンロードさせるものがあります。

脆弱性の悪用

ソフトウェアやオペレーティングシステム(OS)に存在する脆弱性を悪用して、マルウェアをシステムに侵入させる手法もあります。このため、定期的なアップデートやパッチの適用が重要です。

ネットワーク伝播

マルウェアが感染したシステムから他のシステムへとネットワークを介して自動的に広がることもあります。

ソーシャルエンジニアリング

ネットワークに侵入するために、パスワードなどの重要情報を、情報通信技術を用いずに盗み出す方法を指します。人間の心理や行動のミスにつけ込み、ユーザーにマルウェアをダウンロードさせるか、権限を付与させます。通常、詐欺的なメッセージやWebサイトを使用します。

オンライン広告

正当なWebサイト上の広告を利用してマルウェアを配布する手法。広告をクリックすると、マルウェアがダウンロードされることがあります。

ファイル共有

業務効率化のために利用されるファイル共有システムも、マルウェアの感染経路となる危険性が潜んでいます。特に、不特定多数のユーザーがアクセスできるピアツーピア型のファイル共有ソフトは注意が必要です。ウイルスが仕込まれたファイルを、業務に必要なデータだと勘違いしてダウンロードしてしまうリスクが高いからです。

また、社内のネットワーク上にある共有フォルダに感染したパソコンが接続されるケースもあります。この場合、他の端末へマルウェアが急速に拡散し、被害が大きくなるおそれがあります。ファイル共有を利用する際は、少しでも不審に感じるファイルは開かないという基本を徹底することが重要です。

マルウェア感染によって企業が受ける被害とリスク

企業がマルウェアに感染すると、単なるシステムの不具合では済まされません。機密情報の漏洩による信用の失墜や、業務停止に伴う多額の金銭的損失など、事業の存続を揺るがす深刻な事態に発展します。さらに、自社がサイバー攻撃の踏み台となり、取引先へ被害を拡大させる危険性もあります。ここでは、マルウェア感染によって企業が受ける被害とリスクについて解説します。

被害の種類 企業への影響
情報漏洩 顧客情報や機密情報が流出し、損害賠償の発生や社会的信用の低下を招きます。
業務停止 システムダウンにより通常業務がストップし、売上の減少や納期遅延を引き起こします。
金銭的損失 ランサムウェアによる身代金要求や、システムの復旧・調査費用が多額になります。
踏み台化 感染した端末が遠隔操作され、取引先へのサイバー攻撃に悪用される危険があります。

個人情報や機密情報の漏洩

マルウェアに感染すると、企業が保有する重要なデータが外部に流出する危険性が高まります。顧客の個人情報やクレジットカード番号、従業員のデータなどが盗み出されると、企業の社会的信用は大きく失墜します。また、新製品の開発データや取引先の情報といった機密情報が競合他社に渡れば、事業活動そのものに致命的な打撃を与える可能性があります。一度流出した情報を完全に回収することは極めて困難なため、事前の防御が重要です。

業務の停止や金銭的な損失

システムの機能停止やデータの暗号化によって、通常業務が継続できなくなるリスクも存在します。特にランサムウェアの被害に遭うと、社内ネットワーク全体が利用不能になり、工場の生産ラインや物流システムがストップする事例が報告されています。また、データの復旧と引き換えに高額な身代金を要求されるだけでなく、システムの修復や原因調査に莫大なコストがかかります。身代金を支払ったとしてもデータが確実に戻ってくる保証はなく、経済的な損失が非常に大きくなる可能性があります。

他社への攻撃の踏み台にされるリスク

自社が被害者になるだけでなく、意図せず加害者になってしまうリスクも考慮しなければなりません。感染したパソコンが外部からの遠隔操作を受け、取引先や関連企業へスパムメールを大量に送信するケースがあります。自社のセキュリティの甘さが原因で他社に迷惑をかける事態に発展するだけでなく、いわゆる「サプライチェーン攻撃」の一端を担ってしまうリスクもあります。取引先からの信用を維持するためにも、自社の防御力を高める責任があります。

マルウェア対策の体制作り

マルウェア対策のイメージ

マルウェア対策を万全にするには、企業全体での体制作りが欠かせません。体制作りは、大きく分けると従業員リテラシー育成と、サーバやシステムなどの仕組みによるセキュリティ体制の構築の2つがあります。

従業員のリテラシー向上や注意喚起

従業員のセキュリティに関する知識と意識を高める施策も必要です。どれだけ高度なセキュリティシステムを整えても、従業員がセキュリティを高める行動をとらなければマルウェアに感染しかねません。

従業員リテラシー向上のためには、専門的な知識を持った外部機関による教育、研修が効果的です。最近ではオンラインセミナーによるITセキュリティ研修や、情報セキュリティのeラーニングなどもあります。

セキュリティに関する研修は1度行っただけで完了ではありません。従業員がマルウェア感染のリスクを常に意識するためには定期的に研修を行い、新しい情報へのアップデートが必要です。

ラックでは一般社員向けのセキュリティ教育を実施していますので、全社セキュリティ教育や新人教育などにご活用ください。また、スペシャリスト育成向けに、クラウド上に用意した演習環境を使って、実際に調査、解析する実践的プログラムを用意しています。いずれのプログラムも、好きな時間に学習できるオンライン研修形式と、集団研修(指定場所での開催またはリモート)がありますので、自社に合ったスタイルをお選びいただけます。

サーバやシステムなどの仕組みによる対策

備える 対策する 復旧する
  • セキュリティ教育
  • メール訓練
  • 管理者アカウントの見直し
  • 二要素認証の導入
  • 不用意に公開されたサービス(RDP、VPN)の有無
  • 部門が設置したシャドーIT(存在すら認識していない機器)
  • セキュリティ診断
  • 脆弱性情報の収集
  • 感染端末の検知と防御(EDR)
  • ネットワーク監視による検知
  • SIEMによるログ監視
  • 脅威情報の収集と活用
  • 脆弱性の影響を受ける機器のアップデート
  • バックアップからの復旧
  • 再構築による復旧
  • ツールを用いた被害痕跡の調査
備える
  • セキュリティ教育
  • メール訓練
  • 管理者アカウントの見直し
  • 二要素認証の導入
  • 不用意に公開されたサービス(RDP、VPN)の有無
  • 部門が設置したシャドーIT(存在すら認識していない機器)
  • セキュリティ診断
  • 脆弱性情報の収集
対策する
  • 感染端末の検知と防御(EDR)
  • ネットワーク監視による検知
  • SIEMによるログ監視
  • 脅威情報の収集と活用
  • 脆弱性の影響を受ける機器のアップデート
復旧する
  • バックアップからの復旧
  • 再構築による復旧
  • FalconNestを用いた被害痕跡の調査

サーバやシステムなどの仕組みでマルウェア対策をするためには、まずは現状を正しく把握することが重要です。具体的な対策方法は次章で解説しますが、対策の前提として以下のような現状把握を行いましょう。

  • 管理者アカウントを見直す
  • 二要素認証を導入する
  • 不用意に公開されたサービス(RDP、VPN)がないか確認する
  • 認識できていない機器(シャドーIT)がないか確認する
  • セキュリティ診断をして脆弱性がないか診断する
  • 公開されている脆弱性情報を収集する
  • 公開されている脅威情報を収集する

現状が把握できたら、よりセキュアな環境を作るための対策を実施します。脆弱性が認められる場合は影響を受けうる機器をアップデートしたり、対策ツールを導入したりすることで、備えを強化しましょう。

自社で体制を整えられない場合は、アウトソーシングをするのも良い方法です。例えばアウトソーシングには、不正アクセス通信の分析や不正侵入検知後のインシデント対応を常時行う「マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)」などがあります。

セキュリティに十分な人員を割けない企業や高度な専門人材がいない場合でも、アウトソーシングを活用すればセキュアな環境を構築できます。なおラックでは熟練のセキュリティアナリストと監視・運用支援システムを備えた「JSOC マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)」を提供しています。

マルウェアの対策方法

マルウェアの被害を防ぐにはどのような対策があるのでしょうか。なお、企業におけるマルウェア対策は、無料のセキュリティソフトやツールだけでは十分な防御が難しい場合が多いため、有料のソリューションも含めた包括的な対策が求められます。ここでは基本的な5つの対策を解説します。

不要なアプリケーションやソフトウェアをインストールしない

先述した通り、アプリケーションやソフトウェアはマルウェアの感染経路になる可能性が高いです。信頼性が確認されていないアプリケーションやソフトウェアを安易にインストールしないようにしてください。

社内のセキュリティルールとしては、「自社が承認していないソフトウェアはインストールしてはいけない」「公式サイト以外からインストールしない」などを設けます。私物のパソコンやモバイルデバイスを社内ネットワークにつなげない対策も有効です。

OS・ソフトウェア・アプリケーションを常に最新化する

OSやソフトウェア、アプリケーションを常に最新の状態に保つことも重要です。セキュリティの脆弱性が修正されている場合があるため、なるべく早くアップデートします。NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)によると、特に攻撃対象になりやすい各種ブラウザや、Adobe社Acrobat ReaderやOracle社Javaなどのソフトウェアの更新を重点的に行うべきとしています。※3

最近のソフトウェアは自動更新されるか通知が出るようになっています。従業員のITリテラシーが一定以上あれば、問題なく対処できるでしょう。ただしアップデート後に想定外の不具合が発生することもあるため、社内で使用しているOS・ソフトウェア・アプリケーションのアップデートのルールを策定しておくとより良いと言えます。

メールやファイル、サイトの開封ルールを設ける

メールやWebサイト経由のマルウェア感染を防ぐには、開封ルールを決めておくのが効果的です。具体的なルールとしては以下のような内容が考えられます。

  • 不審な添付ファイルやURLは開かず、管理者に連絡する
  • メールソフトのフィルタリング機能を有効にして、迷惑メールを分類する
  • 重要な内容のメールでは、作成者とメールアドレスを照合する
  • USBメモリ挿入時に「autorun.inf」が自動実行されない設定にしておく

上記はあくまで一例ですので、自社の業務内容に合った対策が必要です。

セキュリティ対策ソリューションを導入する

ウイルス対策ソフトや不正アクセス監視サービスなどを導入すれば、セキュリティレベルを高められます。これらのほかにもスパイウェア検出ソフト、侵入防止システム(IPS)、ファイアーウォールなどがあります。

また万一、マルウェアに感染した場合の被害を最小限に留めるための対策も導入する企業が増えています。

例えば、ネットワーク監視することでインシデントをいち早く検知する仕組みや、ネットワーク切断・隔離などによって被害を最小限にとどめる「EDR」、ファイアーウォールやプロキシなどから出力されたデータを一元的に集約して通信の流れをより詳細に把握してインシデントを検知する「SIEM」などのソリューションが挙げられます。

マルウェアをすべて防御するのは難しくコストもかかるため、侵入された後の対策を組み合わせることも検討してみましょう。

対応範囲を広げて考える

サイバー攻撃の形は日々変化し続けており、対応範囲を広げて考えることが重要になります。例えば、マルウェア対策となると自社・組織内における対策に注目しがちですが、組織外部の脅威に注意を払うことも重要です。

組織内だけでなく、組織外で発生した脅威情報を収集・提供するソリューションとして「スレットインテリジェンス」が挙げられます。最新のサイバー攻撃を防御・検知するため、市販のセキュリティ製品などへ適用可能な独自の国産ブロックリストを提供するラックの「JLIST」は、情報提供するだけでなく、ブロックリスト化することで先回り防御する仕組みを提供しています。

組織外部や未知のマルウェアに対しても迅速に対応できるセキュリティ体制を構築できているか、確認しておきましょう。

マルウェア感染してしまった後の対処法

マルウェア感染後の対応イメージ

マルウェアに感染してしまった場合には、速やかに対処する必要があります。ここではマルウェア対処の流れを7つのステップに分けて解説します。

1. 感染拡大を防ぐためネットワーク遮断する

まずは、ネットワークを遮断し感染拡大を防ぎます。端末のLANケーブルを引き抜いて物理的に遮断したり、Wi-Fi接続をオフにしたりします。既に他の端末に感染している可能性がある場合は、Wi-Fiルータの電源をオフにするなど、ネットワーク全体を無効にする対応も考えなければなりません。

2. 感染経路や原因を特定する

次に感染経路や原因を特定します。ここで役立つのはマルウェア対策ソフトのログです。ログを解析して電子メールやUSBメモリなどの感染経路を調べ、不正ファイルを特定します。

3. 必要に応じて内部・外部に公表する

マルウェアを検知したこと、あるいは被害が出たことを必要に応じて内部、外部に公表します。二次被害を防ぐためには、社内で情報をシェアするのが効果的です。

また他社が同じ被害に遭わないように、IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」※4などを通じて情報公開する方法もあります。そのほか顧客情報の流出などがあった際は、情報公開しなければならないケースもあるでしょう。

4. マルウェアを確実に駆除する

端末やネットワークを通常運用に戻す前に、マルウェアの根絶を確認します。マルウェアの中には自己増殖能力を持つものもあるため、1つでも残っていれば、再び被害が出るケースがあります。すべての端末で最新のウイルス対策ソフトを使ったスキャンを実施したり、管理者がネットワーク上の端末にマルウェアが残っていないか検索したりします。

5. 被害にあったファイルがあれば復旧する

消失や改ざんがあったファイルの復旧を試みます。マルウェア駆除のためにクリーンインストールしたり、USBメモリ全体を消去したりした場合は、他のファイルを含めて復旧が必要です。いずれの場合もバックアップデータがあるかどうかが重要です。重要な情報資産は自動的にバックアップされる体制をとっておいたほうがよいでしょう。

6. パソコンを初期化する

セキュリティソフトを使ってもマルウェアを完全に駆除できない場合や、システムの奥深くまで改ざんされている疑いがある場合は、パソコンの初期化を検討します。OSを再インストールして工場出荷時の状態に戻すことで、パソコン内のマルウェアを消し去ることが期待できます。ただし、初期化をすると保存されていたデータもすべて消去されてしまうため、日頃から重要なデータをバックアップしておくことが大切です。

7. 再発防止策を検討・実行する

インシデント発生後に分析結果をまとめて報告会を開きます。そこで再発防止策も話し合います。

例えばマルウェア対策ソフトの更新や、セキュリティルールの改正、従業員教育の実施など必要な対策を決めて行きましょう。対策がわからない場合は、専門知識を持つ外部機関に分析を頼むのもよい方法です。

マルウェア対策についてのまとめ

本記事で解説したマルウェア対策に関する重要なポイントをまとめます。

マルウェア対策は、業界や企業の規模に関わらず非常に重要です。メールやWebサイト、USBメモリなど多様な感染経路が存在するため、代表的な手口の把握が欠かせません。従業員のセキュリティリテラシー向上と、検知ツール導入などのシステム面での防御を両輪で進めることが重要です。

万が一感染した際は、直ちにネットワークを遮断して被害の拡大を防ぐ迅速な初動対応が求められます。自社の現状を正しく把握し、将来のサイバーリスクに備えた強固なセキュリティ体制の構築にぜひ取り組んでください。

参考情報

※1 マルウェアとは|マルウェアの脅威とその対策|JNSA

※2 情報セキュリティ管理基準(令和7年改正版)|経済産業省

※3 インターネットの安全・安心ハンドブック Ver.5.00|NISC

※4 情報セキュリティに関する技術的なご相談 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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