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あなたのスマホやパソコンの画面、他人からの視線を感じませんか?

電車のように人が密集した場所でスマホを見ていると、近くにいる人の視線が気になることはありませんか?

総務省の調査によると、現在は9割以上の人が個人でスマートフォン(以下、スマホ)を利用する時代となっています。実際、通勤時の駅や車内、カフェどころか、歩行中にもスマホに見入ったビジネスマンをよく見かけます。私も、先日電車内でふと周囲を見渡したところ、私を含む全員がスマホに没頭する姿を目にし、異様な光景だと感じました。

電車内で乗客がスマホに没頭している様子

のぞき込みはマナー違反?でも実際は?

目立つファッションの人、マナーの悪い人、大きな声で仕事の愚痴を言っている人などは気になると思います。しかし、その人をジロジロ見ることは控えるのが常識的なマナーといえるでしょう。

でも、スマホが普及する前は電車内で新聞や雑誌、漫画を広げている人の誌面を、後ろや横からのぞき込む人はいませんでしたか?家族や友人ならまだしも、赤の他人にのぞき込まれるのは気持ちの良いものではありません。そして今ではスマホやタブレットで開いた画面を、赤の他人が後ろからのぞき込んでいることもあります。画面に集中するあまり、気にならないかも知れませんが、この図式は今も昔も変わりません。

ガラケーの時代はのぞき込みを防ぐために、画面にプライバシーフィルムを貼り付けていた方が多かったように思います。ガラケーは文字が大きく読みやすい反面、少し離れた位置からでも視認できてしまいます。メーカーによっては液晶自体にプライバシー保護機能がついているものもありました。

ところが、スマホではプライバシーフィルターを使っている人はほとんど見かけません。スマホは画面に触れて操作するので、プライバシーフィルターを使うと使用感が悪くなること、せっかくの高精細な液晶がフィルターのせいで見にくくなるなどが敬遠される理由だと考えられます。
また、画面から得られるわずかな情報をのぞき見られただけでは、大きな事件に巻き込まれたり、生活を揺るがす一大事に発展したりすることはないという意識もあるのでしょう。つまり、ほとんどの人はのぞき見のリスクより利便性を優先しているということだと思います。

プライベートの意識が情報漏えい事故を招く?

このようなプライベートの習慣や安全意識は、仕事にも影響を与える可能性があります。現在、働き方改革の一つの手段としてテレワークが推進されています。テレワークは、残業削減や仕事の効率化、災害時でも仕事を継続できるという利点があります。また昨今の新型コロナウイルスによって、従業員に自宅からのテレワークをさせる企業も増えています。

テレワークと言えば、おしゃれなカフェでモバイルパソコンを颯爽と使いこなす姿で、できるビジネスマンをイメージすることと思います。しかし、パソコンには会社の備品であることを示すステッカーが貼られていたり、さらに会社のロゴが大きくデザインされた紙袋などを持っていたりしたら、どうでしょう?「あの会社に勤めている人なのだな」と簡単に連想できてしまいます。つまりあなたの所在がバレやすいということでもあります。

カフェ内でパソコンを使い仕事をしている様子

そして、通勤電車や新幹線、飛行機などで資料作成に集中していると、誰かが画面をのぞき込んでもまったく気づくことができなくなってしまいます。皆さんが日常の生活で、スマホ画面に集中するあまり警戒心が消え失せているように、機密情報が満載のパソコンや業務用のスマホもプライベートと同じように使ってしまいがちです。

周囲の人は、あなたのパソコン画面にまったく興味が無い人ばかりでしょうか?のぞき見をしない道徳的な人ばかりなのでしょうか?問題は、機密情報を知って悪用しようとする人が存在するということです。事実、企業や政府の要人が集まる国際会議や周辺のホテルなどは、ハッキングが行いやすい場所として犯罪者の標的になることがあります。
新幹線や飛行機なども、ビジネスマンが多く行きかう場所です。そこでは、社名だけでなくIDやパスワード、画面に出ている提案資料をのぞき見され、知らぬ間にハッキングの手掛かりになる情報を盗まれてしまう危険があるのです。

のぞき見を軽視して会社の信用が失墜する事態に?

例えば、会社やお客様に提出する資料を盗み見られた場合、その内容が競合他社に知られるという実害が考えられます。もし社名や所属部署、氏名が知られた場合は、あなた宛てにフィッシングメールが届いたり、ビジネスメール詐欺のリスクも出てきたりします。さらに、パソコンや企業システムへのIDやパスワードが盗み見られた場合は、メールアカウントへの不正ログインや企業システムへの不正アクセスにつながる危険があります。そして、事故の大小にかかわらず、あなた自身は会社で処分を受け、情報管理意識の低い人として見られることになるでしょう。大規模な情報漏えいや詐欺などの事故になれば会社の信用失墜につながることにもなります。

このようなのぞき見による機密情報漏えいを防ぐために、テレワークを推進する企業の中には、パソコン画面ののぞき見対策としてプライバシーフィルターを導入しているところもあります。また、金融機関や人材派遣会社など個人情報や金融資産などを社外で閲覧する必要がある場合は、パソコン搭載のカメラを使ったのぞき見防止ソリューションの導入を進めている企業もあります。その具体例として、顔認証AIの技術を使ったパソコン用ソフト「顔認証のぞき見ブロッカー」は、アナログなハッキング手口を防ぐユニークなソリューションとして注目を集めています。

※ ラックでは「顔認証のぞき見ブロッカー」の提供を現在終了しています。

大切なのは、日常の意識と対策を行うこと

プライバシーフィルターやのぞき見対策ソフトを使うことで、ある程度のリスクは軽減できるでしょう。しかし、最も重要なことは、パソコンなどの情報機器を利用する人の意識です。

以下に情報漏えいにつながる意識についてチェックリストをまとめてみました。自分に当てはまるものが無いかセルフチェックしてみてください。

情報漏えいにつながる?セルフチェックリスト

  1. SNSの画面やメッセージを赤の他人に見られても問題ない
  2. プライバシーフィルターを付けたので安心だ
  3. 背後に人がいても、自分の画面を見ているとは限らない
  4. 壁を背にした席ではないが、遠くから画面が見えるとは思えない
  5. IDやパスワード打ち込むほんの数秒で読み取られることはない
  6. パソコンで開いた資料は一瞬見られたぐらいでは理解できない
  7. お手洗いを使う時は、パソコンの画面を伏せるだけで安全だ

いかがでしたか?多く当てはまると感じたら、対策を検討してみてください。

今回は、普段使っているパソコンなどの情報機器の画面を、他人にのぞき見されてしまうということについて、普段の生活や安全意識を踏まえて考えてみました。企業か個人か、年齢、性別にかかわらず、プライバシーの保護や会社の機密情報の扱いはとても大切なことです。個々人の意識の低さが情報漏えいの糸口となり、企業の信用やブランドイメージの棄損につながったりすることもあります。プライベートから常に危機意識を持って行動することが大切です。

次回は、今回の文中で紹介した最新の技術、顔認識AIによるのぞき見対策について、詳しく説明していきたいと思います。

情報漏えいにつながるのぞき見リスク

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