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国際学会「IEEE RO-MAN 2026」に初出展~人とロボットの未来から考えるセキュリティ

テクノセンター北九州に所属する北です。テクノセンター北九州では、日々の業務に加え、大学や行政、地域の企業との連携を通じて、新たな技術や知見に触れる取り組みも行っています。

今回、その活動の一環として、人とロボットのコミュニケーションをテーマとする国際学会「IEEE RO-MAN 2026(The 35th IEEE International Conference on Robot and Human Interactive Communication)」に参加しました。2026年8月24日から28日にかけて北九州国際会議場で開催され、国内外から研究者や技術者、企業関係者が集まったイベントです。ロボットが身近な存在になりつつある今、人とロボットはどのように関わり、互いに理解し合えるのかといったテーマを扱うIEEE RO-MANに、ラックテクノセンター北九州として初めてブースを出展しました。

本記事では、ブース出展や講演への参加から感じたことや、さまざまな研究・技術に触れて得られた気づきを、現地の様子とともにご紹介します。

IEEE RO-MAN 2026とは

IEEE RO-MANは、Human-Robot Interaction(HRI:人とロボットの相互作用)分野を代表する国際会議の一つです。ロボット工学だけでなく、人と技術の関わり方を研究するさまざまな分野の研究者や企業が集い、人と技術が共存する社会のあり方について議論します。世界各国の大学や研究機関、企業から多くの参加者が集まり、最先端の研究成果や社会実装に向けた取り組みが紹介される場となっています。

今回の参加を通じて、最新の研究や技術に触れるだけでなく、それらが社会でどのように活用され、人と技術の関係がどう変わろうとしているのかを知ることができました。サイバーセキュリティの観点からも、これからの技術と社会の関わりを考えるきっかけになりました。

IEEE RO-MAN 2026会場
IEEE RO-MAN 2026会場

なぜラックがIEEE RO-MANに参加したのか

近年、セキュリティが求められる対象はITシステムだけではなく、工場設備やIoT機器、ロボット、AIを活用したサービスへと広がっています。技術が社会に入り込むほど、守るべき対象も、想定すべきリスクも変わっていきます。そのため、現在の業務領域はもちろん、将来社会で活用される技術や、その技術が人とどのように関わっていくのかを理解することも重要です。特に、人とロボットの関わりを研究するIEEE RO-MANは、これからの技術と社会の変化を捉える上で、多くのヒントが得られる場だと考えました。

そこで今回は、世界中の研究者や技術者が集う国際会議である「IEEE RO-MAN 2026」に参加しました。幅広い技術動向や研究成果に触れることで、今後の技術や社会の変化を捉えるための新たな視点を得ることができました。

ブース出展を通じた国内外研究者との交流

今回、テクノセンター北九州は会場内の企業展示エリアにブースを出展しました。会期中は、国内だけでなくアジア、ヨーロッパ、アフリカなど、世界各地から訪れた研究者や学生にもブースに立ち寄っていただきました。

さまざまな専門分野の方とお話しする中で、共通して話題に上がったのが「人は技術をどのように信頼するか」というテーマでした。AIやロボットが私たちの身近な存在になるほど、技術そのものの性能だけでなく、それを人がどう受け止め、安心して使えるかが重要になります。特に印象に残ったのは、ロボットデザインを専門とする海外の研究者の方との交流です。AIと人との関係について熱心に話される姿が印象的で、生成AIによるハルシネーションへの懸念も話題に上がりました。AIを活用したロボットが社会に広く普及していく中で「人はAIをどこまで信頼できるのか」「AIが誤った情報を伝えた場合、どのような影響が生じるのか」といった問いは、AIを搭載したロボットが社会に広がるほど、より身近な問題になっていくと感じました。

また、多くの来場者からラックの事業内容について質問をいただきました。サイバーセキュリティ企業としてどのようなサービスを提供しているのか、国内外のどのような市場で事業を展開しているのかなど、研究者や学生の方々が企業における実践的な取り組みに強い関心を持っていることを実感しました。

さらに、会場ではロボット開発の出展社の方から、人と協働するロボットについて話を伺う機会がありました。人と同じ空間で活動するロボットには、性能だけでなく安心して利用できる設計も求められます。技術の進歩だけではなく、社会の中でどのように受け入れられるかという視点の重要性を改めて感じました。

今回のブース出展は、自社の取り組みを紹介するだけでなく、普段接する機会の少ない異なる専門分野の研究者や技術者と直接対話し、異なる分野から技術や社会の変化を捉える貴重な機会となりました。

ラック出展ブース

参加社員が語る、IEEE RO-MANでの学び

今回のIEEE RO-MAN 2026には、テクノセンター北九州から2名の社員が参加しました。普段の業務領域にとどまらず、新しい技術や研究動向に直接触れる機会として、自ら参加を希望したメンバーです。会期中に開催された講演やワークショップを通じて得た気づきについて、参加社員のコメントを紹介します。

川瀬
ロボット学会ということで制御技術やハードウェア中心の発表を想像していましたが、実際には実利用を強く意識した研究が多い印象でした。AIやLLMの利用で優れた技術を作ること自体は前提となり、その技術をどの課題に結び付けるかが研究の価値を左右しているように感じました。
鶴野
学会に対しては、専門性が高く敷居の高い場という印象を持っていましたが、フラッシュトーク形式の発表も多く、想像していたよりも気軽に参加できました。限られた時間の中で研究成果を分かりやすく伝える工夫がされており、多くの研究に触れながら最新の研究動向を知れてよかったです。
写真右がラック テクノセンター北九州の川瀬 航平、左が鶴野 裕也
写真右がラック テクノセンター北九州の川瀬 航平、左が鶴野 裕也

さいごに

IEEE RO-MAN 2026では、ロボティクスやAIなど、普段の業務では接点の少ない領域の研究者との交流に加え、講演やワークショップへの参加から多くの知見を得ることができました。ラックの取り組みを紹介する中では、分野を問わずサイバーセキュリティに対する期待や関心が高まっていることも実感しました。

今回得られた知見や出会いが、すぐに業務へ結び付くとは限りません。しかし、異なる分野の専門家との対話や最先端の研究に触れることで、普段の業務だけでは得られない視点を持てました。技術が社会に浸透していく中で、こうした視点は、これからの技術やセキュリティのあり方を見据える上でも重要だと感じています。

テクノセンター北九州では今後も、大学や行政、地域企業との連携に加え、このような場への参加を通じて幅広い知見を取り入れ、新たな技術や研究動向への理解を深めていきます。そして、そこで得た気づきを日々の業務や新たな取り組みに生かしていきたいと考えています。

プロフィール

北 絵美理

北 絵美理
数年前にUターンし、北九州市を中心とした地域で自治体や事業者さまと連携した活動を進めています。

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