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こんにちは、コーポレートコミュニケーション室の山本です。
2026年1月27日に、当社で大型カンファレンス「LAC Security & AI Day 2026」を開催しました。
テーマは「AIが広げる未来、セキュリティとビジネスの進化」です。少し抽象的でそれがどのような意味を持つのか、すぐにはイメージしにくいかもしれません。
しかし、長年セキュリティ業界に身を置く私から見て、とてもメッセージ性に富んだ内容だったと断言できます。午前中の3講演の中では、いま世の中で起きている変化を踏まえつつ、国家戦略、AIの現在地、ラックの変革という一本の流れとして語られていました。
この記事では、国家サイバー統括室 内閣審議官の中溝和孝氏、明治大学名誉教授の高木友博氏、そしてラック 副社長の樋口健と取締役CTOの倉持浩明の講演内容を、要点と発言引用を交えながら振り返ってみたいと思います。
基調講演① 中溝和孝氏「新たなサイバーセキュリティ戦略の実現に向けて」
中溝氏は、2025年末に閣議決定された「新たなサイバーセキュリティ戦略」の全体像を示し、その中で一貫して掲げられてきた5つの原則、「情報の自由な流通の確保」「法の支配」「開放性」「自律性」「多様な主体の連携」を守る重要性を明確に語りました。さらに、情報の自由な流通や法の支配、開放性、自律性など多様な主体の連携といった価値を、国として国際的に示していく必要があると強調しています。
一方で、脅威環境の変化は加速度的です。中溝氏はその背景として「国家を背景としたサイバー攻撃の増加」「社会全体のデジタル化の進展」「AIや量子技術といった新たな技術革新」を挙げました。こうした状況だからこそ「国がこれまで以上に前に出て役割を果たす必要がある」と語ります。
講演の中でもっとも印象的だったのは、「国が対策の要となり、官民が連携して進めていく」という言葉でした。サイバーセキュリティが一部の専門領域ではなく、社会全体の課題であることを強く印象づける一節です。
サイバー対処能力強化法の「3つの柱」
講演の核心として語られたのは、いわゆる能動的サイバー防御です。中溝氏はサイバー対処能力強化法の枠組みを「3つの柱」で説明しました。
- 1.官民連携の強化
重要インフラが攻撃を受けた場合の報告義務化などを通じ、政府が状況を分析し企業の強化に生かす循環をつくること。 - 2.通信情報の利用
通信事業者のネットワークを流れる通信情報を、政府が取得・分析し、攻撃サーバーの検知精度を高めること。 - 3.アクセス無害化
分析結果をもとに攻撃者のサーバーを特定し、必要に応じてアクセスして無害化を行うための権限を整備すること。
合わせて中溝氏は、誤解されやすい「通信の秘密」にも言及しました。講演中に紹介した動画(【NCO】「新・サイバー防御」解説動画)では、対象となるのはIPアドレスやコマンドなど、コンピューター向けの情報に限られ、個人の通信内容が侵害されることはない点、さらに独立機関の監督のもとで適正に運用されることを示しました。制度を形だけで終わらせず、実りのあるものにしていくことが政府の責務であり、施行に向けた準備を進めていると締めくくりました。
基調講演② 高木友博氏「AIの今を理解し、変革に備える」
高木氏の講演は、世の中のAIエージェントへの過熱ともいえる動きについて、一度立ち止まらせるところから始まりました。冒頭で語られたのは、「去年の講演で私が予告した通り、去年と今年のAIの機構は、そんなに変わりません」という、やや意外な一言です。その真意を、高木氏はAIの発展を世代で捉え直し、「AIエージェントは第1世代、第2世代で試みられてきた要素を、第3世代の仕組みに組み込んだものに過ぎない」と構造的に説明しました。
つまり、「今までのものを組み合わせただけで新規なものでは無いから、上辺の変化に振り回されるのではなく、仕組みを知ってうまく使いこなすことが大切」と前置きしつつも、「結果として得られる能力は別物です」と語りました。その価値を高木氏は、AIエージェントを「人的な作業を機械に置き換える処方」と表現しました。そして、実例として挙げられたのは、情報収集から整理・可視化までを一気通貫で実行するケースです。「人間なら半日から1日かかる作業が、AIならわずか15分で終わる」と説明しました。
さらに高木氏は採用統計を引き合いに、「初級的な知的作業者は、すでに採用されなくなってきている」と指摘します。「比較的単純な知的業務はAIが担い、人間には別の役割が求められる」と述べた同氏の発言から、企業ですでに起こっている人材戦略の転換が示唆されました。
ラックとの共同研究、AIを活用したフォレンジック
さらに、高木氏はラックとの共同研究として、インシデント調査(フォレンジック)での実証例を紹介しました。データリーク調査でログをAIに"そのまま読ませ"、人が細かなノウハウを教え込まなくても、必要最低限の指示だけで自動実行できる仕組みを構築したといいます。タイムライン上の挙動から「怪しいところ」を抽出し、調査の焦点を絞り込める点が成果として示されました。
さらに重要なのは、単なる自動化ではなく「自律実行」を成立させる設計です。高木氏は、いきなり実行させるのではなく、まず分析観点を考えさせ、観点ごとにチェックし、結果を自己再チェックして妥当性を確認したうえで次へ進む――という"手順化された自律"を要点として挙げました。これにより、調査の質を保ちながらAIに作業を任せられる可能性が見え、AI時代のフォレンジックは「どう動かすか」の設計力が勝負になる、という示唆が強く残りました。
講演の締めくくりでは、「省力化して効率を上げられる会社が生き残る」そのためには、「AIエージェントの活用を前提に、業務システムも組織設計も組み替える必要がある」という高木氏のメッセージが強く印象に残りました。
基調講演③ 樋口健・倉持浩明「ジェダイからクローンへ」
最後は、ラックの変革を象徴するセッションです。副社長の樋口は冒頭、直前の高木氏講演を受け「セキュリティの現場で、私たちはAIをどう使っているのか」という実践の話をすると切り出しました。
読者の皆さんが気になるのは、セッションタイトルの「ジェダイからクローンへ」かもしれません。これは、個人の技能に依存する名人芸(ジェダイ)から、技能を移植・複製して組織能力として展開するクローンへの転換を意味しています。会場にはスター・ウォーズを知らない人もいると笑いを交えながら、核心をこう言語化します。
「あなたの分身を作って、分身に解決させるように全て置き換えてください」
そして、ジェダイのように「自分で敵を倒しに行かないでください」と語りました。
AIで人が不要になるのではなく、人の役割が変わる
続くCTOの倉持は、ラックの研究開発とAI活用の取り組みを具体的に紹介しました。社内では生成AI活用を推進する横断組織をつくり、実践とラボ機能をもつ組織がルール作りとガバナンスを担っています。初期は既存の文書管理や情報管理ルールが生成AI活用を想定しておらず、「既存ルールと生成AIの橋渡し」をする役割が大きかったという振り返りは、現場ならではのリアルな話だと感じました。
倉持はさらに、「AIで人が不要になるのではなく、人の役割が変わる」と語ります。「AIエージェント(クローン)を前提にした世界では、セキュリティエンジニアの役割は、クローンを指揮統制し、訓練をしていくような役割に変わっていく。もちろんスーパースター(ジェダイ)を育てる必要も残るが、現場の中心は指揮・統制・訓練へ移る」といった未来像を述べました。
Public×Privateで組む二層防御(First Line/Second Line)
樋口氏は、AI時代の防御を「パブリックナレッジに対してプライベートナレッジとプライベートロジック」という二層で説明しました。メガプラットフォーマー等が提供するPublic Knowledgeの防御は強力でも、「攻撃者がプラットフォームの防御メカニズムを研究して迂回する」ため、"First Line"だけでは突破が起き得ます。そこで迂回された攻撃を、攻撃者の知らないPrivate Knowledge/Private Logicで「第2線のプライベートメカニズム」として検知・遮断し、守るべきアセットを守り切るのが重要だといいます。
高機能なAIエージェントによってサイバー戦略の未来が変わる
樋口は経営側の視点から、生成AIが天才依存を揺るがす可能性にも言及しました。「説明不能な天才に頼っていたような運用が、生成AIによって再現・超越される局面が来るかもしれない。だからこそ、個人の技巧を組織資産へ落とし込み、再現性を高める変革が必要になる」と、私たちが認識しておくべき危機感についても触れました。
この講演の重要なメッセージは、「クローン」である高機能なAIエージェントを生み出すためには、官民共同で巨大なデータアーカイブを構築し、それを基盤とするオープンイノベーションを推進する必要があるということ。それは、スター・ウォーズエピソード9のクライマックスシーン、『レジスタンスによる市民艦隊作戦』に例えることができるという映画のストーリーに置き換えて、サイバー戦略の未来を示唆する、聴き手の記憶に残るセッションでした。
国策の変化、技術の現実、そして企業の組織変革が一本の線でつながる
中溝氏は「国が要となる官民一体の防御」への転換を述べ、高木氏は「AIエージェントを前提に、知的作業が置き換わる」現実を示しました。そして、樋口と倉持はサイバー事業の現場と組織を「分身=クローン」という発想で再設計し、ガバナンスと実装の両輪で進める道筋を紹介しました。
AIが加速する時代に、信頼できる社会基盤をどう築くのか。LAC Security & AI Day 2026の午前中の講演は、その「問い」に対し、国家戦略から現場実装までを一気に俯瞰できる濃密で、メッセージ性の高い時間となっていました。
今後も、当社は国や教育・研究機関、民間企業が関わるサイバー戦略について、最新の動向をお伝えしてまいります。ご興味のある方は、ぜひラックのメールマガジンにご登録ください。
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