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"すごうで 2025" レポート

ITに関する突出した技術力やアイデアを持つ若者の才能の芽を発掘し、支援する「すごうで」において、2025年度の支援対象者に選ばれた笹子悠月さん(東京都、採択当時高校2年)から、この1年間の活動レポートを寄稿していただきましたので、ご覧ください。

なお、笹子さんが提案した"夢"の詳細や、ラックの支援内容等を知りたい方は、「"すごうで 2025"の活動」をご覧ください。

"すごうで 2025" 支援対象者

笹子悠月(東京都、採択当時高校2年)

成果発表会の様子

私は、すごうで 2025の支援期間で、「初心者でもプログラミングを楽しめるようにするためのストラテジーゲーム」の開発に取り組んできました。

このプロジェクトに取り組もうと考えるようになったきっかけは、私が高校1年生の時に受けた授業「情報Ⅰ」でした。2022年度から高校で必修化されたこの科目は、プログラミングをはじめとした情報技術の基礎知識を扱えるようにすることを目的としています。しかし、学校の授業でプログラミング言語のPythonを扱ったとき、理解の速い生徒とつまずく生徒の差が大きく開いてしまっていることに気が付きました。この現状を解決しようと考えた結果、初心者でもプログラミングを楽しめるゲームが必要だと考えました。

開発したストラテジーゲーム「MagiCode」

すごうで 2025の支援期間で私が開発したゲーム「MagiCode」では、プレイヤー自身がPythonを実行し、その結果がそのままゲーム内の行動に反映されます。ゲームにプログラミングを落とし込み、チュートリアルとともに進めていくことで、楽しくて理解しやすいプログラミング学習体験を作り上げることができました。

タイトル画面
タイトル画面

ゲーム概要

MagiCodeにはステージがあり、ステージをクリアしていくことで使えるコードの種類が増えていきます。私は情報Ⅰの授業で、Pythonの関数や変数、繰り返し処理、条件分岐を学んだので、これらをテーマにしたステージを実装することにしました。ステージをクリアすると次のステージが解放されていく仕様です。

シナリオは、よりプレイヤーがゲームに集中し、没入的な学習体験を与えられるよう設計しました。

"かつてコードを自在に操り、世界は豊かだった。しかし、ある日突然コードを管理するシステムの中枢が暴走し、コードの文明は崩壊してしまった。崩壊後、唯一コードを扱う力のあるプレイヤーとAIロボットがかつてのコードを取り戻すべく探索をしていく......"

プレイヤーは世界を修復するエンジニアとして行動し、コードを書くたびに環境が変わり、道が開け、敵を制御できるようになります。操作そのものがコードとなり、進行とともに理解が積み上がることでPythonを自然に理解していく構成です。

メニュー画面
メニュー画面
ステージ入場後のミニストーリー
ステージ入場後のミニストーリー

戦闘はターン制で行われ、攻撃フェーズと防御フェーズを敵とプレイヤーで交互に繰り返します。プレイヤーは攻撃関数や防御関数で行動し、敵の攻撃と防御に対処していきます。序盤の敵は関数をただ書くだけで倒せますが、ステージを進めていくと条件分岐で状態を判別しないと倒せない敵や、繰り返し処理で連続行動しないと回復する敵などが登場し、難易度が上がっていきます。ターンを重ね試行錯誤する、プログラミングにおいて大切な思考を促します。また、「エリア」という座標を簡略化したような概念を取り入れたことで、ゲームプログラミングの感覚にも繋がるようにしました。

戦闘画面
戦闘画面

プログラミング言語を扱うという挑戦

「ゲーム内でプログラミング言語を扱う」という挑戦的な内容であり、「プログラミング×ストラテジーゲーム」という前例の少ない構成だったため、楽しさと学習効果をどう両立させるかは終始手探りでした。技術面でもハードルは高く、今回使用したゲームエンジンでは、Pythonを直接実行できませんでした。そこで、外部にPythonサーバーを建て、クライアントと通信させる構成を採用しました。プレイヤーが記述したコードをサーバー側で実行し、その結果をゲームに即時反映させることで、違和感のない操作感とリアルタイム性を両立しました。

"すごうで 2025"に取り組んでみて

高校3年生の4月から翌年3月まで、すごうで 2025に取り組んでいたので、大学受験とプロジェクトの両立で苦労することがありました。さらに、初めてのストラテジーゲーム、しかも比較的大規模な作品の長期的な開発だったため、進捗を思うように作れず、モチベーション管理の難しさを感じることもありました。一方で、プロジェクト設計力や自己管理力を身に付ける非常に有意義な機会となりました。また、キャラクターや背景のイラスト制作から、画面設計、デザインに至るまで一人で行ったことで、ゲーム開発者としても成長することができました。

将来的には、支援期間内で実装しきれなかった部分を作ったり、テストプレイを重ねたりしていきたいです。また、開発だけでなく、MagiCodeをインディーゲーム展示イベントに出展したり、コンテストに応募したりすることで今よりも多くの人に触れてもらい、ゲーム、教材の両方の面で完成度を上げていきたいです。

最後に、このような素晴らしい機会をいただいたメンターならびにすごうで事務局の皆さま、1年間のご支援に心より感謝を申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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