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オンラインで企画実施した産学連携「名水プロジェクト」〜ICT活用講座

サイバー・グリッド・ジャパン ICT利用環境啓発支援室です。

「名水プロジェクト」※1と名付けられた産学連携プロジェクトを、2020年11月後半から2021年3月初めにかけて実施しました。

目白大学牛山ゼミの学生が、北海道名寄市※2の社会人と、静岡県浜松市立水窪中学校※3の生徒に向けて、「ICT(情報通信技術)を活用した講座」を実施するプロジェクトです。ラックはこのプロジェクトの企画と実施サポートをしました。手探りの準備と本番に挑んだ4か月間、担当者が得た学びをご紹介します。

※1 名寄の「名」と水窪の「水」を取り、学生が「名水プロジェクト」と名付けました。

※2 北海道名寄市:北海道北部に位置し、人口は2021年2月末時点で27,009人、総合病院や国立大、天文台、ジャンプ台のあるスキー場などの施設がある。過去の最高気温が34.5度、最低気温が-35.7度あり、その差は70度以上になる。特産品はジャガイモ、かぼちゃ、アスパラ、もち米。特にもち米は伊勢名物の赤福の原料に使用されている。

※3 静岡県浜松市立水窪中学校:2020年度の全校生徒21名。浜松市北部の天竜区水窪地区(およそ人口1,900人)に昭和22年開校。卒業生の多くは、鉄道で15分ほど南に下る浜松湖北高等学校佐久間分校に進学する。水窪は山々と清流の町。春にツツジやカタクリ、秋には紅葉を目的にハイキングやツーリング、キャンプに多くの人が訪れる。

プロジェクト始動

2020年夏、「例のアレ、担当よろしくね」と、上司から言い渡されました。例のアレ......、以前ちらっと聞いていた目白大学の牛山ゼミ連携ワークショップのことなのですが、一体何から始めれば良いのやら。お役目を全うできるか不安で一杯のところ、「大丈夫、初めてだから失敗はない!」と励まされました。うーん、こうなったらやるしかない。とはいえ、名寄市と水窪中の方々とはオンライン会議で顔見知りではあったものの、目白大学の学生とは全く面識がありません。スタート時点では本当に不安しかありませんでした(涙)

11月に入ると、いよいよ牛山ゼミと連携したプロジェクトが始まります。最初は牛山先生、プロジェクトのメインである2年生、そして3・4年生の約30名と、以前から私たちとお付き合いのある各地域のNPO団体や独立行政法人の代表の方々がオンライン上に集合して顔合わせを行いました。

この顔合わせでは、各地域の状況を知ってもらうため名寄市と水窪の方々から、各地域の概要と町全体が盛り上がるイベントなどをご紹介いただきました。例えば名寄市は、何でもそろうコンパクトシティで道内の住みよさランキングが常に上位。ゆるキャラは、名物のもち米と美しい星空をデザインした「なよろう」。水窪は仮装コンクールで盛り上がる水窪祭り、水窪町と長野県飯田市南信濃の住民が県境をかけて対決する「峠の国盗り綱引き合戦」などです。

数名ずつ5チームに分かれて名寄市と水窪について考えるブレインストーミングを行い、地域についての理解を深めたことで、プロジェクトを作り上げていくヒントを得ることができました。

地域ごとにチームに分かれて講座を企画

今年の1月頃にかけて、牛山ゼミ2年生の10名が名寄チームと水窪チームに分かれて講座内容を考えていきました。私たちも学生とSlackを使用して各地域の情報提供やサポートをします。

徐々に内容が固まっていき、名寄チームはSNSの利用を促すInstagramの活用を、水窪チームはICTについて学ぶことを目的に、プレゼンテーションに利用できるGoogle Earthの活用や、画像検索で表示されるフェイク画像の見極めを講座に取り入れました。

私たちは、プロジェクトの中間発表や指導案発表、リハーサルに参加し、「なぜ講座でInstagramを使用するのか?」や「ファクトチェックが必要な理由は?」など、問題提起やアドバイスを出し合いました。

学生はゼミ以外でも自主的に集まり、講座内容の話し合いやリハーサルを何度も行っていたそうです。その後、名寄チームは講座参加者へのアンケートを、水窪チームは中学校の先生と事前接続テストを行い準備も大詰め。期待と不安の中いよいよ本番が目前に迫ってきました。

いざ本番、参加者の反応は?

2月27日に水窪の中学生へ向けた講座を、3月2日に名寄市の社会人に向けた講座を実施。当日は私たちもファシリテーター(司会進行)を務めつつ、学生の講座を見守ります。

めざせ!プレゼンマスター

水窪では「めざせ!プレゼンマスター」と題した体験講座を行いました。クイズ形式でファクトチェック(真偽検証)の大切さを学び、Google Earthを使用した視覚で楽しませる資料作りを、ハンズオンで体験します。最初は講師も生徒も緊張していましたが、コミュニケーションを取るうちにだんだん打ち解けていきました。「おー!」という声が出て盛り上がったり、Google Earthで水窪や目白大学の位置を確認したりと、楽しみながら学んでいました。

静岡県浜松市立水窪中学校の皆さん、牛山ゼミ、ラックのメンバー
静岡県浜松市立水窪中学校の皆さん、牛山ゼミ、ラックのメンバー

Instagramを活用して名寄を発信してみよう!

名寄市向けの講座「Instagramを活用して名寄を発信してみよう!」では、解説を交えて参加者とともにInstagramの登録と、初めての投稿を行いました。多くの方がInstagramは知っているけれども触れる機会がなかったため、良い機会になったと思います。

講座参加者からは、「楽しかった」「分かりやすかった」という感想や、「いつか遊びに来て欲しい」という言葉をいだきました。コロナ禍のためオンラインでの講座開催となりましたが、地域を訪問できる日が早く来ることを願ってやみません。

北海道名寄市の皆さん、牛山ゼミ、ラックのメンバー
北海道名寄市の皆さん、牛山ゼミ、ラックのメンバー

プロジェクトを通して学んだこと

初めて担当した名水プロジェクト、無事に終えられて良かったです。プロジェクトの実現に向けての取り組みで、自分なりの学びとなったことをご紹介します。

離れた地域同士の連携に、オンラインは便利

本プロジェクトは対面で打ち合わせをすることが困難な状況下だったため、ZoomやSlackといったオンラインのコミュニケーションツールを利用しました。名寄市や水窪を訪ねるには数時間かかるところ、自宅でパソコンを数回クリックするだけで会話ができるのは今更ながら感動的です。また、交通機関の遅延や天気に左右されることもありません。

SNSの利用目的は年代によって異なる

大学生に近い年代はSNSで「映え」や「共感」を重視する一方、年齢が上がると「日常」や「実際のつながり」を重視しているように感じました。どちらも人と繋がることがベースにあることは変わりませんが、重視するポイントが異なっていたことは新たな発見でした。

地域同士の相互理解は、プロジェクト推進の大きな助けになる

訪れたことのない地域について調べていくうちに詳しくなり、さらに講座によって地域の方々と交流することで、地域との心理的な距離感が縮まりました。お互いの理解が深まり、歩み寄っていくことでプロジェクトの企画や実施を順調に推進できたと思います。

学生へのアドバイスの工夫

ちょっとしたアドバイスで学生の目が輝いたり、何気ない一言で計画が練り直しになったりという場面がありました。そのため、学生がどのように考えて発言・行動しているのかを慎重に見守り、適切なアドバイスができるよう心がけました。

おわりに

目白大学の学生は、各地域やそこに暮らす人々について深く理解する良いきっかけになったと思います。また、チームワークや教えることの難しさ、講座に参加する人の立場で考えることの大切さを学ぶことができたのではないでしょうか。

名寄市、水窪の中学生・社会人は新たなICTの利用方法を会得し、さらにこのプロジェクトがなければ知り合うことができなかった大学生との交流を楽しんでもらえていたら嬉しいです。

今後もプロジェクトに関わった全ての人が、学びや気付き、相互理解の楽しさを感じてもらえるような企画をしていきたいと思います。

サイバー・グリッド・ジャパン ICT利用啓発環境支援室では、今回のような産学連携を含め、これからも様々なプロジェクトを企画立案していきます。引き続き、産学連携の取り組みをご紹介していきますのでどうぞお楽しみに。

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