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地域密着の産学連携で、セキュリティ技術者を育成しよう

ラックでは、産学連携活動として全国の様々な学校で授業を行っています。実は私、北九州高専で非常勤講師をしているので、普段どんなふうに授業をしているのかをご紹介します。

北九州高専との連携について

ラックは2019年1月に、福岡県北九州市小倉駅近くにセキュリティ事業の技術拠点「テクノセンター北九州」を開設*しました。同年10月より、国立北九州工業高等専門学校(北九州高専)で、専攻科の学生向けに後期の2コマ×15回を、ラック社員が非常勤講師として「情報セキュリティ」をテーマに授業をしています。実際には、2018年よりと九州地区の高等教育機関(大学・大学院、高専、専門学校等)との連携を始めていました。

* ラック、セキュリティ事業の技術拠点として「ラックテクノセンター北九州」を開設

「情報セキュリティ」をテーマにした授業

この授業は、セキュリティ技術等の知識の講義だけではなく、開発や運用、診断・検査、インシデント対応など、実業務に沿った内容で、グループによるディスカッション、実機を使った演習、ゲーム教材を使った演習などを交えた実践的なものとなっています。

Androidアプリ脆弱性診断ツール

Secure Coding Checker

「セキュア開発」の演習では、Androidアプリケーションを検査するWebベースのツール「Secure Coding Checker」を利用しました。

Androidアプリ脆弱性診断ツール

Secure Coding Checker

担当講師は授業の内容によって変わります。この授業では、東京本社の社員がリモートで、テクノセンター北九州の社員が現地でというハイブリッド形式で実施しました。さらに北九州高専OBの2人の社員(寺岡、加藤)も補助講師として参加しました。OBが授業に関わることで、学生さんたちも我々もかなりモチベーションが上がります。もちろん学習効果も上がりますよ!

コロナ対策を徹底して対面授業を実施

2021年1月には、北九州高専で登校時の検温と消毒を徹底したうえで、対面での授業を実施しました。当日の演習はMicrosoft Teamsを利用して、東京本社の講師(デジタルペンテスト部・宮崎)がリモート講義を行い、北九州拠点の社員(テクノセンター北九州・井原センター長)が教室で補助する形で進行しました。教壇の前にはビニールシートを吊り下げていますが、こちらは使用せずマスク着用で授業をしました。

北九州高専でのMicrosoft Teamsを使った遠隔授業の模様
北九州高専でのMicrosoft Teamsを使った遠隔授業の模様

気になる授業の進め方

演習には、北九州高専・情報システムコースの松久保先生にもご参加いただきました。まずはラックの事業紹介からスタート。さまざまな事業領域があり、それぞれの分野に専門性の高い社員がいることをお話ししました。この演習を受けてくれた学生たちの中に、少しでもラックに興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいです。

Androidアプリ脆弱性診断ツール

Secure Coding Checker

さらに、検査ツールの「Secure Coding Checker」の概要やメリットなどの説明をしました。その後、実際にPCでツールを実行し脆弱なソフトウェアを改善する方法を見てもらいます。

Androidアプリ脆弱性診断ツール

Secure Coding Checker
Secure Coding Checkerによる検査実行画面
Secure Coding Checkerによる検査実行画面

演習には情報系の学生だけではなく、機械系を専攻する学生も多く参加していました。普段アプリ開発環境などに触れる機会が少ないせいか、結構興味を持って聴いてくれていた印象です。

続いて、「Android Studio」によるアンドロイドアプリの開発方法と、「Secure Coding Checker」の動作を確認して、それぞれの内容に対する理解を深めてもらいました。また、アプリ開発に興味を持った学生もいて、PCを操作して「Android Studio」上でのアプリ動作を確認する姿も見受けられました。どんどん手を動かして、知的好奇心を満たしていくことは楽しいですよね。

Android Studio上でのアプリ動作確認画面
Android Studio上でのアプリ動作確認画面

講師を務める私たちが大切にしているのは、一方的に話を進めるのではなく、受講生が自発的に興味をもってくれるよう誘導することです。ただ与えられるだけの面白さより、自分たちで見つけ出していく方が、より充足感やさらなる興味に繋がります。そんなわけで、グループ演習や実際に手を動かすハンズオンをよく使っています。座学だけだと学生が退屈してしまうので、2~3人のグループに分けて課題について話し合い、発表する演習を行う方が理解を深められると思います。

実は私たち講師にとっても、ずっと講義だけというのはベテランでないと間を持たせにくいので正直大変です。また、90分2コマの授業をした時はのどが渇いて困りました。学校の先生方はすごいなと、自分たちで講義をしてみると実感します。

おわりに

ラックではこのような産学連携活動を通し、地域のセキュリティ対策と人材の雇用と育成を推進しています。今後も活動についてレポートしていきますのでお楽しみに!

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