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マイクロソフト社、メタ社、アマゾン社、ウォルマート社といった米国の大手企業が相次いで人員削減を発表しています。しかし、今回のリストラの波は従来とは本質的に異なるようです。背景にあるのはAI技術の急速な進歩です。特に、ホワイトカラーにおけるエントリーレベルの職種が標的となっているようです。
ベンダー各社がAIやAIエージェント戦略を進め、組織側もAIエージェントに投資する動きが加速すると予想される中、労働市場は転換点を迎えています。世界経済フォーラムは2025年1月に公表したレポート『The Future of Jobs Report 2025』で、「2025年から2030年に構造的な労働市場変革が起こり、現在の総雇用の8%が消失する」と予想しています。そして、若年層のキャリア形成パスが断たれる可能性も指摘しています。
企業による人員削減発表が相次ぐ
この数カ月で、米国企業を中心に、人員削減についてのニュースをよく見かけるようになりました。
マイクロソフトは2025年5月に全体の約3%に相当する6,000人の削減計画を発表、その後も数千人規模の削減計画が報じられています。2025年7月には、インテルが世界で15%規模の人員削減を発表しました。2025年10月にはアマゾンが約1万4,000人の管理・支援部門などを含む企業部門の削減を発表、「人工知能(AI)への投資を加速しつつ、他部門でコスト構造を見直す必要がある」とコメントしています。2024年秋に1万1,000人という大規模な削減計画を発表していたメタも3月、追加の人員削減を発表しています。テック系以外でも、ウォルマートが2025年5月、6月と続けて解雇を警告しています。
このように、人員削減の波は業界を問わず広がりつつあります。大規模な人員削減の波はコロナ禍後にありました。コロナ禍中に人を雇いすぎたことから、調整に入ったという要素が強いものでした。それに対し、今回の要因はAI、特にAIエージェントが直接的、間接的に関係しているように感じます。
全社員の5%に相当する、約500人の人員削減計画を明らかにしたクラウドストライク社のCEO、ジョージ・カーツ氏は「AIは採用曲線をフラットにし、アイデアから製品までをより短い時間に短縮する。市場投入までを合理化でき、顧客に提供する成果は改善し、フロントオフィスとバックオフィスの両方で効率化を進められる」と述べています。
英国の通信大手BTグループ社のCEOを務めるアリソン・カークビー氏は、「AIが、これまでよりも少ないリソースで事業を運営する機会をもたらすのであれば、競争力を維持するために(人員削減などの形で)適応する必要がある」と英フィナンシャルタイムス紙に述べています。同社は、2030年までに4万人、30億ポンドのコストを削減する計画を明らかにしていますが、「AIの全ての潜在能力を反映していない」「AIからの学び次第では、2030年末には、組織の規模はさらに小さくなる機会があるかもしれない」と述べています。
このように、今回の人員削減はコスト削減ではなく、AI前提の業務デザインへと企業が舵を切り始めた転換点であるように見えます。
キーワードは「ホワイトカラー」「エントリーレベル」
では、これから雇用はどのように変わっていくのでしょうか。予想は難しいものの、「ホワイトカラー」「エントリーレベル」が1つのキーワードのようです。世界経済フォーラムは、2025年5月1日のメーデーに合わせて、労働市場のトレンドを予想しました。それによると、これから10年間で1億7,000万の新たな雇用が創出される一方で、AIは今後数年で米国の約5,000万の雇用に影響を与える可能性があると推定しています。
特に影響が大きいのは、エントリーレベルのホワイトカラーの仕事と予想しています。世界経済フォーラムの調査では、雇用主の40%が、AIによるタスク自動化で人員削減を見込むと回答しています。例として、ブルームバーグ社ではマーケットリサーチのアナリスト、営業担当のタスクの50%以上をAIが代替する可能性があると述べています。
さらに、大規模言語モデル(LLM)系のAIアシスタント「Claude」の開発で知られる、AI企業のアンスロピック社CEOのダリオ・アモデイ氏は、米国のデジタルメディア企業であるアクシオス社の取材に対し、AIが今後1〜5年以内にホワイトカラーのエントリーレベル職種の半分を消失させ、米国の失業率を10〜20%まで押し上げる可能性があると警告しています。
今後5年の間に失業率が10〜20%になった場合、社会と経済に与える影響は計り知れません。
AIエージェントは同僚?仕事を奪うライバル?
AIの中でも、AIエージェントは急速に進化しています。AIエージェントは質問応答やコード生成に留まらず、複数ツールを跨いだタスク実行を担い始めました。モデルとAIエージェント間のプロトコルや、複数の異なる技術をベースにしたAIエージェント間を連携するプロトコルも出てきており、AIエージェントを組み合わせて、仕事そのものを代行(エージェント)してくれる世界が実現しつつあります。
セールスフォース社の会長兼CEOで共同創業者のマーク・ベニオフ氏は、AIは自社の作業の30〜50%を占めていると述べています。同社はAIエージェントの「Agentforce」を「デジタルレイバープラットフォーム(Digital Labor Platform:デジタル労働力プラットフォーム)」と銘打っていますが、その言葉を自社も実行していると言えます。
ベニオフ氏によると、同社のAIエージェントの精度は93%に達しつつあるとのことです。人間のミス率を考えれば同僚と呼んでも違和感がない水準で、同社は実際に1,000人単位の人員削減を行っています。
アマゾンのCEO、アンディ・ジャシー氏は、AIエージェントにより「これまでより高い出発点から業務を始められる」「機械的な作業に割く時間を減らし、新しい体験を考えたり、改善したりする方法といった戦略的なことにもっと多くの時間を費やせる」と記しています。また、「現在の仕事の一部は、これまでほどの人を必要としない」と同時に、「他のタイプの仕事を行う人は、これまで以上に必要になる」とも語っています。同社は既に1,000以上の生成AIサービスとアプリケーションを構築中・構築済みですが、これはほんの一部に過ぎないとしています。
キャリアをどうやって形成していくか
こうなると気になるのが、特に若い世代の雇用に与える影響です。例えば開発者の場合、メタは2025年1月、中級レベルまでのエンジニアをAIに置き換えるとして、5%近くの雇用削減を発表しています。一方で、2025年6月にはAIのトップ人材を引き抜いています。若い開発者がどのように経験を積んでシニアになっていくのか、その間がまるごと抜け落ちるような構造が生まれつつあります。
Stanford Digital Economy Labの研究において、2025年7月時点で「ソフトウェア開発者(22〜25歳)の雇用が、2022年末に比べて約20%近く減少している」という報告があります。そして、世界経済フォーラムの調査では、米国のZ世代の求職者49%が、労働市場において各大学の学位の価値が下がっていると回答しています。
なお、アンスロピックのアモデイ氏は、政府とAI企業が労働力のバランスが変化することについて透明性を持って話し合うことを提案しています。アモデイ氏はAIを電車に例えて、「走っている電車の前に立ってそれを止めることはできないが、進路を10度でも異なる方向に変えることはできる。われわれは今、それをすべきだ」と語っています。
世界経済フォーラムは、AIの浸透に合わせて企業が従業員のスキルアップに大規模な投資が必要になると指摘しています。さらに、研修やインターンシップをより重視した構造に再定義する局面に入りました。日本でも、雇用のメンバーシップ型かジョブ型かという議論だけでなく、AIが前提の雇用構造をどう選び取るのか、自社にとって最も良い方法を見いだすチャンスかもしれません。
プロフィール
末岡 洋子(ITジャーナリスト)
アットマーク・アイティ(現アイティメディア)のニュース記者を務めた後、独立。フリーランスになってからは、ITを中心に教育など分野を拡大してITの影響や動向を追っている。
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