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大阪出張のついでに、新幹線にはどれくらい「のぞき見リスク」があるか確認してみた!

仕事中、他人に見られては困る情報を扱っていませんか?
取引先の情報、未公開の財務情報、個人情報、人事評価などの機微情報は、社外の人だけでなく社内の人に見られるのも困る場面があると思います。そのような情報を扱うとき、情報を盗み見られないための対策はしていますか?

ラックでは、「のぞき見リスク」を回避するセキュア社の「顔認証のぞき見ブロッカー(以下、のぞき見ブロッカー)」という製品を取り扱っています。パソコン利用時、事前に登録していない人物の顔がカメラに映りこんだ場合や、利用者の顔が一定時間認識されない(不在)場合に、パソコンの画面をロックします。のぞき見られたときの映像、そのときに見ていた画面のキャプチャーを記録することもできます。

この、のぞき見ブロッカーを使って、新幹線の中ではどれくらい「のぞき見リスク」があるのか、実際に使って確認しました!

※ ラックでは「顔認証のぞき見ブロッカー」の提供を現在終了しています。

新幹線でお仕事。のぞき見のリスクは?

10月某日、久しぶりに対面でお客様のインタビューをするため、出張で大阪に行くことになりました。前日までバタバタと他の仕事に追われ、インタビューの準備がなかなかできず。新幹線の中で準備を進めるため、資料を確認して、作成中の資料を更新して......。なんてことを考えたとき、新幹線の中の「のぞき見リスク」ってどうなんだろう?と思い、「のぞき見ブロッカー」を使って確認してみました。

「のぞき見ブロッカー」は通常利用時、のぞき見を監視するワイプ画像の表示の有無を選択できます。今回は、利用状況を確認したかったため、デスクトップにワイプ画面を表示しながら作業を行いました。

のぞき見ブロッカーはマスクをしていても利用者の顔が認識されます
マスクをしていても認識されます!

東京駅を出発

出張の日は午前中、東京から新大阪に向かう新幹線に乗車しました。
乗車位置は12号車。トイレ近くの通路側です。

東京駅では40名ほどが乗車していました。最初に他人の顔が検知されたのは、後ろの席の方が、荷物を荷物置きに上げるときです。実際には、パソコンの画面をのぞき見ているわけではなく、検知されただけです。画面のロックがかかる3秒(設定で変更可能)を超えることはありませんでした。

その後、品川で約10名、新横浜で数名の乗車がありました。新幹線の移動中は、ほとんど人の移動はありません。ときどき、車掌さんや社内販売が通るくらいです。車掌さんが通過する時間は、およそ1秒未満。それだけでは、検知されませんでした(カメラの撮影間隔は、1秒から設定可能)。

次に検知されたのは、ちょっと斜め後ろの席に座られている方の顔が写ったときです。実際には、こちらの画面は、見えていないだろうと思います。緊急事態宣言が明けたとはいえ、まだ乗車率は高くありませんでしたが、今後、人の移動が増えるようになると、検知された方の一つ手前の席も埋まって、より画面を見られる危険性は増すだろうと考えます。

斜め後ろの席に座られている方の顔が認識されました

名古屋駅周辺

のぞき見リスクが高まったのは、名古屋駅の手前でした。
名古屋では、30名近くが降車されましたが、名古屋駅に到着する前の10分間、降車前にトイレに行きたい方の行き来が増えて、何名かの顔が検知されました。

そして、名古屋駅到着の少し前、出口に人が並ぶと出口付近に固まる人の顔が数度検知されました。

思わぬ伏兵

斜め後ろの席、降車が多い駅の手前で、のぞき見についてのリスクが高まることを感じつつ、一つ席を空けて隣に座っていた上司にそのことを話すと、
「僕の席からは丸見えだよ」
と一言!

思わぬ伏兵です。
そこで、広い範囲を映すことができる広角レンズを取り付けてみることにしました。
「あ、映ってる!(検知される)」

広角レンズを取り付けてみると、一つ席を空けて隣に座っていた上司の顔が検知されました

本当に危険な人は、隣の席(隣の隣の席)にいるんですね。ショルダーハッキングなんて言うから、肩越しばかりを意識していました。隣の席となると、パソコンのカメラでは、画角が十分ではありませんでした。また通路を挟んだ隣の席は、広角レンズでも検知できませんが、見られる可能性は否定できません。

東京駅で乗車して、名古屋駅までの1時間40分の記録

  • 名古屋駅までに、顔が検知された件数:21件
  • ロックがかかる3秒以上(設定で変更可能)、アラートが出続けた件数:5件

※ その後、広角レンズのカメラではほぼ検知され続けました

新幹線での「のぞき見リスク」対策

現在は、まだ乗車率が高くありませんが、降車の多い駅の手前や斜め後ろの席から、のぞき見られる可能性が高いことがわかりました。また、隣の席(隣の隣の席)からは、常時見られる状態になっていました。実際には悪意がある場合や、情報を盗みたい企業としてターゲットにされない限り、情報が盗まれる可能性は低いでしょう。しかし「機密情報が丸見えですよ、〇〇社さん」なんてSNSに書かれたら、会社の信用が失墜します。

具体的な対策

対策はいくつかあります。
斜め後ろや横からは、プライバシーフィルターの利用するのがいいでしょう。もっと安心が必要であれば「のぞき見ブロッカー」を利用するのも手です。そして、「のぞき見ブロッカー」を利用するとき、パソコンのカメラでは不十分だということが今回わかりました。本当に必要であれば、広角のカメラを使う。作業中は、アラートに気づくことができるので、ワイプの画像を出しておくといいかもしれません。

場所も気を付けたほうがいいでしょう。
席は、トイレから遠い場所、出口付近の席を避けたほうがいいです。通路側より、窓側がおすすめです。そして、人が通行するときは、画面を伏せましょう。

それでも、のぞき見られるリスクをゼロにはできません。
新幹線で仕事をするのであれば、機密情報を扱う仕事は避ける、リスクを回避するのであれば、そもそも新幹線の中で仕事をしないというのが一番です。しかし、ビジネスパーソンにとって新幹線の移動は貴重な仕事時間だったりします。新幹線など公共交通機関で仕事をするときは、「のぞき見リスク」があることを十分理解した上で対策を行い、集中できる環境を作りましょう。

お金と手間の順で対策を並べると、以下のような順番ですが、「仕事をしない」のが一番です。

レベル0:新幹線では仕事をしない
レベル1:通路側より窓側、トイレの近くを避ける
レベル2:プライバシーフィルターを使う
レベル3:プライバシーフィルター + のぞき見ブロッカーを使う

この記事をご覧いただき、「じゃあ、こんな場所の「のぞき見リスク」はどう?」なんて、ご要望がありましたら、試してみたいと思います。その際はぜひご連絡ください。今後も、いろいろな場所での「のぞき見リスク」を確かめてレポートしますのでお楽しみに。

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