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LAC WATCH
2020年07月27日 | ラックピープル

ラックの開発力を支えるヒミツ「2つの道場」とは?

こんにちは。ラックCTOの倉持浩明です。今回はラックのSIS(システムインテグレーションサービス)事業の取り組みについてご紹介します。

セキュリティ事業で知られるラックですが、1986年の創業以来、30年以上にわたってSIS事業に取り組んできています。現在も大手金融機関をはじめとして300社を超えるお客様との継続的なお取引があり、アプリケーション開発やインフラ構築において1,200人以上のエンジニア(ビジネスパートナー企業のエンジニア含む)がSIS事業に従事しています。私もラックに入社後は、大手製造業の生産管理システムや、大手流通業のECシステムの構築に従事してきました。当社の強みはこうした様々な業種・業界のシステム開発やインフラ構築に従事してきたことにあります。

市場と技術の変化にどう対応していくか

しかしながら昨今、ビジネス環境の不確実性が増大し、ビジネススピードが加速する中、情報システムにはこれまで以上に「短期間での対応」「変更を前提とする要件への対応」が求められるようになってきました。

変化の背景には、IT投資が企業内の業務システム(バックオフィス)に対するものから、ITを活用したビジネス(フロントシステム)に変化してきているという事情があります。顧客企業のIT投資が「守りのIT投資」から「攻めのIT投資」へとシフトしてきているといえるでしょう。

こうした社会全体の変化、市場の変化は、情報システムに対しても変化を求めます。こうした変化に対する情報システムとしての対応手段には「クラウドの活用」「OSSの活用」「アジャイルな開発手法の導入」「DevOpsソリューションの導入」などがあります。

2020年度SI事業の重点施策
2020年度SI事業の重点施策

市場と技術の変化に対して、当社ではアジャイル開発センターとソフトウエアエンジニアリングセンターの2つのセンターで対応力の強化に取り組んでいます。この2つの組織は、組織横断的にエンジニアの育成とプロジェクトの課題解決に取り組みます。当社のSIS事業におけるCenter of Excellence(人材やノウハウなどを集約した横断組織)という位置づけです。

アジャイル開発センター:対応速度と柔軟性の強化

アジャイル開発センター

一足早く2018年7月に設立したのはアジャイル開発センターです。それまでも当社ではアジャイル開発に取り組んできましたが、お客様のアジャイル開発へのニーズの高まりをうけて組織化しました。「アジャイル開発手法を用いたシステム開発」と、「お客様のアジャイル開発チームへのエンジニア支援」を事業の軸として活動しています。

アジャイル開発センターでは、アジャイル開発に関する社内リソースとノウハウを集約するとともに、社内エンジニア向けにはアジャイル開発のトレーニングを提供しています。

新入社員向けにはアジャイル開発手法を用いたプロダクト開発研修を実施しています。昨年度の新入社員研修については過去のLAC WATCH記事で紹介しました。なお、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で新人研修もすべてオンラインで実施し、新入社員は在宅勤務で研修を受講していますが、アジャイル開発研修も今のところオンラインで実施しています。

新入社員向けのアジャイル開発研修の様子
昨年度の新入社員向けのアジャイル開発研修の様子

新入社員以外でも、アジャイル開発に取り組んでいきたいというエンジニアや、お客様への提案にあたりアジャイル開発を知りたいという営業やマネージャーを対象として、アジャイル開発の入門講座を実施しています。この入門講座は、Scrum Boot Campと題して株式会社アトラクタ様のご支援を得て年数回実施しています。

ScrumBootCampの様子
2019年に実施したScrum Boot Campの様子

実際のアジャイル開発プロジェクトにおいては、プロジェクト検討の初期段階からアジャイル開発センターのメンバーが関与しています。プロジェクトを通じてエンジニアを実地に指導することにより、現場でアジャイル開発ができるエンジニアの育成に取り組んでいます。

ソフトウエアエンジニアリングセンター:技術競争力の強化

多くのITシステムやツールの登場により、システム開発の生産性は向上してきていますが、一方でエンジニアにとってはブラックボックス化が進んでいるという側面もあります。システムやツールが動作する背後の原理を知らなくとも、ツールの使い方を知っていれば、開発を行うことはできてしまいます。しかしそれではツールに流されてしまい、本質を見失ってしまいます。

そこで本年度より新たに「ソフトウエアエンジニアリングセンター」を設立しました。ソフトウエアエンジニアリングセンターでは、技術的な課題に起因するプロジェクトトラブルを未然に防止するとともに、開発案件の知識を共有することで競争力の向上に努めています。

注力しているのは、システム開発プロジェクトにおいて「要(かなめ)」となるITアーキテクトの育成です。ITアーキテクトには、システム開発における共通仕様やシステムの実現方法を検討し、運用や保守のことまで考慮した実装方針を提案し実現することが求められます。そのため、ITアーキテクトにはシステム開発におけるプログラマやシステムエンジニアとは異なった多種多様な知識やスキルと経験が求められます。

ソフトウエアエンジニアリングセンターが実施するITアーキテクト育成では、徒弟制度を採用しています。ITアーキテクトを志すエンジニアが、師匠である先輩社員に「弟子入り」する形でトレーニングを実施しています。このレベルのエンジニアは、新たな技術の学習は日常的に自ら取り組むことができています。

トレーニングではITアーキテクトが実際のプロジェクトで直面する課題に先輩社員がそれまでの経験からアドバイスを提供します。徒弟制度によるトレーニングを実施することで、先輩社員の経験を、その考え方の背景にあるものや判断根拠に至るまで伝授し、新たな局面においても対応する応用力を育むことができます。

モブプログラミングでプログラミングスキルを磨く
モブプログラミングでプログラミングスキルを磨く(写真は2019年7月のもの)

ところで、ITアーキテクトはプロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーやエンジニアをはじめとして多くのメンバーから「頼られる」存在です。やりがいのある仕事でもありますが、その反面、常に高いプレッシャーにさらされていると言えるでしょう。そこで、ソフトウエアエンジニアリングセンターがハブとなって他部門のITアーキテクトとの交流の場を設けています。ITアーキテクトとしての「悩み」を共有し、お互いにとっての励みになることを企図しています。

2つの道場でソフトウエア開発力の強化を目指す

当社ではアジャイル開発センターとソフトウエアエンジニアリングセンターを「道場」と呼んでいます。道場には、武道、茶道、芸術など様々なものがありますが、茶道で知られる千利休が遺した言葉に「守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」という言葉あります。略して「守破離」とも言いますので、聞いたことがある方も多いでしょう。

修行に際しては、まずは師匠から教わったことを徹底的に「守る」ことから始まります。次に、自分なりのやり方を工夫して既存の型を「破る」ことができるようになります。そしてやがて、既存の型から「離れて」自在となることができるとされています。これは、武道や芸術だけでなく個人の成長のプロセスを端的に示す表現だと言えるでしょう。そして大事なのは「本を忘るな」という点です。師匠の教えを「破り」そこから「離れ」たとしても根源の精神を見失ってはいけない、ということです。

私たちが「アジャイル開発センター」と「ソフトウエアエンジニアリングセンター」の2つの道場の活動を通じて育成していきたいエンジニアは、単にツールの使い方を知っているだけのエンジニアではなく、背景にある原理原則を理解し、自らの創意工夫で新しい地平を切り開くことのできるエンジニアです。今後の「2つの道場」の活動にどうかご期待ください。

アジャイル開発センター長 大沼 重成

アジャイル開発センター長 大沼 重成

「これはアジャイルだとどうやるの?」と質問されることが多いです。「アジャイル開発」という言葉が先行し、アジャイル開発を導入すること自体が目的となっていないでしょうか?アジャイル開発の手法を採用しただけではアジャイルになりません。アジャイル開発は顧客満足を最優先とします。アジャイル開発センターではエンジニアに対して顧客へ価値を届け続けるために必要な心・技・体を鍛錬していきます。

ソフトウエアエンジニアリングセンター長 藤本 博史

ソフトウエアエンジニアリングセンター長 藤本 博史

社内研修は、集合研修という形でハンズオンなどを取り混ぜて講師と受講生という構図で実施するのがどこの企業も一般的です。私は、この形態では、ITアーキテクトとしての細かな考え方や方式の思想といった原理原則の部分を理解していくのがなかなか難しいと常々考えていました。そこで、あえて徒弟制度(道場)をもちいて長期間ともに学ぶことで、細やかなフォローとともに方式の考え方やエンジニアの状況に沿ったアドバイスを実施しスキルの向上が図れると思っております。

より詳しく知るにはこちら

より詳しく知るにはこちら

アジャイル開発センターは、「アジャイル開発手法を用いた開発案件の受託」と、「お客様のアジャイル開発チームへのエンジニア支援」を事業の軸としながら、活動で得られたノウハウやメソッドを積極的にコミュニティに還元し、情報発信を行っていくことで、お客様のビジネスをプロとして支える真のパートナーを目指していきます。

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