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LAC WATCH
2020年05月15日 | ラックピープル

【緊急対談】外出自粛で子どもたちがスマホ依存に?トラブルと向き合うために欠かせない大切な視点とは?

こんにちは、ラック広報の山本です。

「友達とスマホで遊んでいて1日10時間も15時間も使っているんです」
「お友達とも遊べないし、ネット利用を厳しく制限できないんです」
「せっかく守っていたスマホルールも有名無実になってしまいました」

休校に外出自粛。時間を持て余した子どもたちが、1日中ネットやスマホを使い続けてしまう問題が日本全国で起きています。頭を悩ませる保護者からの声もネット上でも散見されるようになっています。

外出自粛する子ども

保護者が不在で一人で家に過ごす子どもたち。親が在宅テレワークであってもかまってあげられない。生活の場である家庭にも大きな変化が出ています。私たちはこのような状況に対して、どのように子どもやスマホ・ネット利用と向き合っていけばいいのでしょうか?

保護者の悩みに対するヒントを提供すべく、ラックの研究組織サイバー・グリッド・ジャパンの吉岡、尾方、そして筆者(山本)の3名による緊急対談を行いました。この記事ではその模様をお伝えしていきたいと思います。

第一回目は「新コロナ対策の巣籠り生活であらわになった問題」や、「家庭内でお互いの不理解がストレスとスマホルール崩壊を生む」という内容です。さて、どんな話が展開されたのでしょうか?

対談メンバー

吉岡良平

吉岡 良平(よしおか りょうへい)
サイバー・グリッド・ジャパン 副GM

EMA、Grafsec、SPREADなどの団体で事務局長や理事を務める一方、サイバー・グリッド・ジャパンにて情報セキュリティや青少年の情報モラル啓発活動にも務めている。

尾方佑三子

尾方 佑三子(おがた ゆみこ)
サイバー・グリッド・ジャパン
ICT利用環境啓発支援室 室長

SE職を経て、2回目の育休復帰後に事業企画業務に転向。情報モラル教材の企画経験を元に、現在は安心安全なICTの利活用を促進する啓発業務を担当。小学校1年生、5年生の子どもを持つ母親。

山本和輝

山本 和輝(やまもと かずてる)
CC・IR室 室長

広報、マーケティング業務に携わる。業務の傍らフィッシング対策協議会の運営や、セキュリティや情報モラル啓発の講師も行っている。小学校4年生の子どもを持つ父親。地元小学校の元PTA会長。

新コロナ対策の巣籠り生活であらわになった問題

 山本  さて、今回の対談ですが、休校によって子どもたちのネット利用状況がとんでもないことになっているという話がネットで散見されるようになっています。
この問題について、ラックで専門的な知見をお持ちの吉岡さんと、当事者である尾方さんと私の3名で私たち保護者がこの問題とどのように向き合っていけばいいのか、話をしていきたいと思います。

まず最初に尾方さん、ご家庭ではどんな問題が起きているのでしょうか?

 尾方  うちの場合、下は小1と上は小5の2人なのですが、小1は入学式をやっただけで、まだ1回も学校で授業を受けていません。宿題らしきものも出ているのですが、字のなぞり書きやお絵かきのようなものしかない状況で時間を持て余しすぎています。1日の課題もほんの10分-20分ほどで終わってしまう程度。終わったら子どもは漏れなくタブレットで好きな動画を見ちゃってます。

私もテレワークで子どもの様子は見ていられるのですが、ちょっと仕事に集中すると1-2時間はあっという間に過ぎてしまい、ふと気づくとその間子供もずっと動画を見ていたりとか。
かと言って、それを止めなさいと言ったとしても、横について一緒に遊んであげられるわけでもない。そのジレンマが日々積み重なっている状況です。

上の子は、塾の動画配信教材などがあるので、それをやらせたりもできるのですが、低学年の場合はどうしてもIT機器に頼ってしまい、依存しすぎというか、本当にギリギリのラインでやっているという感じがします。

 山本  なるほど、私の場合は子どもが小4ですがほぼ同じ状況ですね。うちは母親が結構なゲーマーという事もあり、母と子で今流行りの「どうぶつの森」をやって一緒に遊んでいます。2人で1日2時間以上はゲームをやっていますね。それに加え一人でゲームを2時間以上やったりと、合計5時間近くはやっているんじゃないかと思います。ペアレンタルコントロールも時間制限をOFFにせざるを得ないというか。でも食事中や深夜までやっているということはありません。

親がテレワークしている間、子供にどう時間を使わせるかは、とても難しさを感じています。お友達と遊ぶこともできない状況もあり、ただ単に使えなくすればいいという問題でも無いので、どうしようかと悩んでいますね。

吉岡さんこのあたり、今世の中で起きている現状について、少しお話頂けないでしょうか?

 吉岡  いま話に上がっていた利用時間の問題ですが、外出自粛という状況になる前からも、ずっと言われていたことなんですけど、子どものスマホの使い方で注意すべき点は3つあるんです。

1つ目は「1日の中でどのくらいの時間触れているのか?」
これはトータルの利用時間の長さの問題ですね。

2つ目が「1日の中でいつ頃の時間帯に触れているのか?」
日中、夜間、深夜なのか?休校の今は時間が自由に使えてしまうため、対戦ゲームをやる場合、相手の時間に合わせなくてはならないなど、自分だけで決められないこともある。もちろん深夜ずっと使っていると健康に悪影響を与えてしまいますので要注意です。

3つ目は「何をやっているのか?」
ゲームなのか?SNSなのか?学習しているのか?ネットのつながった先で、何をしているのかをしっかり捉えることが大切ということです。

 山本  なるほど。親から見ると、単にスマホやネットをやっていることだけが目に入って、何をやっているかという視点を持てていないような気がしますね。

 吉岡  いつも保護者の方が言われるのは「いつもスマホばかりいじっている」と、外見だけで判断しがちです。でも子どもたちにすれば、スマホを通じてつながる先は全部違っていて、勉強している時もあるし、時にはニュースに興味を持って色々調べている子もいるわけです。

タブレットで学習中

何をしているのかを知らずに外見だけで注意していると、親子の間のコミュニケーションがうまくいかなくなってしまう要因にもなります。

 山本  「今調べものとしている」と答えた子供に対して、親が疑いをもって接すると、いくら子供でも自分が信用されていないと感じてしまいますね。「スマホ」=「ゲーム」といった先入観で頭ごなしに叱らない方がいいという事ですね。

 吉岡  もうひとつ、保護者側の気持ちに立って言うと、子どもがスマホをずっと触っていると、親子の会話自体が減ってしまうんです。子供に話しかけても、返事が返ってこない状況というのはすごく気持ち悪いし寂しいと思います。このような点は子どもの方も相手の気分を悪くしないような意識が必要ですし、一緒に暮らすもの同士、どうしたら良い関係が維持できるかお互いによく話し合っておく必要がありますね。

家庭内でお互いの不理解がストレスとスマホルール崩壊を生む

 山本  友人の息子さんは、ずっとイヤホンを付けているそうです。

 吉岡  ああ、なるほど。私の家では、23歳の息子がいますが、彼は居間や食卓に居る時でも、親がTV見ている時もイヤホンを使わず音出しでYouTubeを見るんです。うるさくてむしろイヤホンをしてくれと。それを続けられるとかなりイラっとしたりします。

(一同爆笑)

オンライン対談の様子
テレワーク中にオンラインで対談する3人

 尾方  うちも同じようなことがあります。音を出さないでよ!と言っちゃうことがある。

 吉岡  結局、それぞれの人の使い方なので、自分本位で考えてしまうとお互いイラっとする。子どもの気持ちとしてはイヤホンをしてまで外部をシャットダウンして集中したいのかも知れないし、そういった気持にも理解が必要じゃないかと思います。本当はそういった、気持ちをお互いに話あった方がいいですよね。

 山本  親子の両方にそれぞれの行動の理由があるという事ですね。気持ちをうまく伝えあわないと、暗黙のうちに感情的な衝突が起きて疑心暗鬼になっていく感じがします。

 吉岡  電車や人込みでのスマホ、ケータイの使い方ってある程度マナーが世の中で収れんされてきたと思うのですが、家庭の中ではそのマナーが収れんされていないのだと思います。

 山本  確かに、自分を振り返っても家庭内のマナーって軽く考える傾向にありますね。誰でも自宅にいると、そこまで相手の気持ちのことを考えずに自分の好き勝手にやりがちかと。

 尾方  結局、誰でも自分のやることに没入してしまうと、人の事なんて考えられないというか。

 山本  ちょっと前に、海外でスマホを渡すときの親子の間の16のルールなんて話題がありましたね。

 吉岡  色々なやり方があると思います。ルールを話し合って守っていくというのも、一つの方法でしょう。でも個人的には家庭内での行動をルールで縛るというのは、好ましくないと思っています。堅苦しく決まり事をつくるより、何か問題がある度にその都度話し合ってみるというのが大事ではないかと。

今は子どもも常に家にいるし、保護者の方がテレワークなら、話し合う時間を取りやすくチャンスだと思います。子どもが今何をやっているのか、どんな事をしたいのかについて興味を持ってもらいたい。ぜひ、そのことについて話し合う時間をつくってほしいと思うのです。

 山本  そうですね。コロナで外出できないことを逆に、ポジティブに考えてこの機会に家族で膝を突き合わせて普段できない話し合いをしてみようと。考え方を切り替えるというのは、とても良いアイデアだと思います。

 尾方  「食卓にはスマホを持ってこないのがルールでしょ」といなすのは簡単ですが、「お母さんが一生懸命つくったものを味わって食べてほしい。何を食べたかわからないような食事のしかたをされるのは寂しい」といった言い方で、子どもに嫌な気持ちになった理由を伝えると、小1の子はしぶしぶ画面を閉じますね。気持ちを伝えると、幼い子供にも理解しやすい。

 吉岡  保護者の行動で気を付けるポイントはあって、例えば食事中に仕事の連絡が入って、電話に出なきゃならないことなどあります。そういった時には親子で決めたお互いの約束事は守れないことも多いわけです。

やっぱり、ルールで杓子定規にするより、TPOでその場で相談していくような柔軟なやり方をしていかないと、「自分はいつもダメって言われるけど、お父さん、お母さんはやってるじゃん」となってしまい反発してしまう。そうするとルールを守れなくても「まあいいや」が続いて、ルールを決める意味がなくなってしまう。

 山本  お互いのその時の都合、TPOを考えて譲り合う、認め合う。そういった関係ができれば、あれしちゃダメ、これしちゃダメというブラック校則のような理不尽ルールが無くなりますね。そういった発想はとても勉強になります。

 吉岡  子どもたちも中学になると、部活の連絡が食事中に入ってきたりするわけです。その人間関係って彼らにとってはとても重要なことで、大人の仕事の連絡と同じなのです。
そういう場合は、ちょっと失礼しますといって席を立って離れた場所にいく。やはり、みんなで食事している場で操作されるのは、誰でも気持ちがいいものではない。
これは大人になってからの食事のマナーで、役に立ったりする。そういった子どもの将来につなげていけるように話をしていくのも保護者の役目ではないかと思うのです。

 山本  そうやって、小さいころから社会人としてのマナーを身に着けると良いですね。スマホの使い方を通じた教育ですね。でも、親ができていないと意味がないですよ。

 吉岡  そうそうそう!(笑)おっしゃるとおり。マナーを片方に守らせるんじゃなく、両方が守らなきゃいけない。

 山本  うちの場合、奥さんがそうですね。「大人はいいのよ!」ってズバッと言っちゃう。

 吉岡  突っ込んで議論していくと、なんで大人が良くて、子どもがダメなのか理由なんてなかったりするわけで。

 山本  おっしゃるとおりで、大人だけがいい理由なんて全くないですね。
そういった考え方を変えて、子どもと接していくと家庭内の人間関係というか、いさかいやストレスも減る可能性ありますね。そしてロジカルに考えていけば、スマホやネットの安全な使い方を自分自身で考えていくことにつながる気もします。

親の言うことを聞かない、反発して逆のことをやってしまう、隠れていけない事をやってみたくなるリスクも減りそうです。

 吉岡  やはり、コレ(スマホ)を子どもの教育に生かして欲しいんです。

 山本  わかります。スマホを会話のネタにして、何をしたいか理由を言わせたり、使い方を考えさせたりするのは、家庭での教育につながりますね。しかも、子どものスマホやゲームに対する動機はとても高いので必ずこちらを向いてくれる。

 吉岡  そうなんです。親がスマホの使い方を子どもから習うというのもいいと思います。そうすれば、中学生や高校生など、親と会話したくない年代になっても、ちゃんと会話をしてくれる。自分の興味のあることに関心を持ってくれる人には、子どもも心を開いてくれるのではないかと思います。

(話は盛り上がって次回へ続きます)

大切な視点

さて、今回の対談はいかがでしたでしょうか?

休校の間の子どもの時間の使い方、ただスマホやゲームの使用時間が長いと言うだけで、叱ったり、取り上げたりするのは良くないアプローチではないか?確かにその通りです。

重視すべきは、

「深夜などの健康を害する時間帯に使い過ぎないようにすること」
「何のために使っているかを知って、子どもの欲求や行動を理解すること」

スマホを通じて、様々な使い方をする子どもたち。ただゲームで遊んでいるだけではなく、友達との連絡や相談、興味のあることを調べる、勉強に使うなど役に立つ使い方も沢山しているはず。それを、親子の対話を通して理解する。

家庭でのネットやスマホの使い方で不快に思ったらできるだけお互い対等な立場で、相手の気持ちや考えを尊重して話し合う努力をする。それが、子どもが社会性を身に着けることにもつながるのではないかということです。

新コロナウイルス対策で親も子どもも生活サイクルが変わって大なり小なりストレスを抱えています。
これまで考えてきたスマホルールも、その生活にあったものに変えていくことが必要そうです。
自宅にいる時間が長い今こそ、スマホを題材に親子対話、社会的スキルの教育をする、絶好のチャンスなのではないでしょうか?

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サイバー・グリッド・ジャパン®では、情報セキュリティにおける先端技術の研究に加え、サイバー分野における啓発活動も積極的に推進しています。デジタル活用能力向上のための指針をまとめ、世代・立場別に役立つ指南書「情報リテラシー啓発のための羅針盤コンパス」を公開しています。

次回は、スマホ依存、ゲーム障害など気になる話が展開されます。お楽しみに!

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