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ラスベガス開催のOracle CloudWorld 2022参加レポート

こんにちは、クラウド推進部の橋本です。

Oracle社が毎年ラスベガスで開催する、Oracle製品ユーザコミュニティ向けの大規模イベント「Oracle CloudWorld(以下、OCW)」に、八木下と共に昨年10月に参加してきました。米国内外から1万人以上、日本からも100名程度が参加するイベントから得られた最新情報を、現地の雰囲気とともにお伝えします!

新設部門のメンバーが参加した理由

私の所属するクラウド推進部は、2022年10月に新設されたばかりの新しい部門です。OCWのような大型イベントになぜ新設の部門から参加したのかというと、Oracle Cloudの案件発掘に役立つ情報を入手し、現地企業とのコネクションを作るというミッションがあったためです。今年度はクラウドビジネスに注力する方針を掲げており、その推進役の役割を担うべく新設されたクラウド推進部には、まさにうってつけでした。果たして現地でのコネクションは作れたのでしょうか......。

華やかな雰囲気のラスベガス
華やかな雰囲気のラスベガス

盛り上がったオープニング

今回のカンファレンス会場は、ベネチアン・コンベンション&エキスポセンターという大型のコンベンションセンターでした。ラスベガスといえばカジノが有名ですよね。なんと、どのホテルにも大抵カジノがあり、毎日誘惑に負けそうになりながらもセッションに参加してきました。

会場に入ると、中はどこも人、人、人......。文字通りの人だらけでした。特に初日のオープニングから基調講演の間がピークだったように感じます。オープニングはまるでコンサートのような演出がされ、見ていてとてもテンションが上がります。ドラマティックな演出で会場全体が一つになるような雰囲気を味わえるのは、海外カンファレンスに参加する醍醐味の一つですね。この場にいられて良かったなと思えた瞬間でした!

ぞくぞくと参加者が会場に入場していきます
ぞくぞくと参加者が会場に入場していきます

興味深かったマルチクラウド戦略と新サービス

CEOサフラ・カッツ氏の基調講演は、ユーザ企業のトップとの対談形式でした。コロナ禍においてデジタル環境を整備する際の決断スピードの速さや、AIの活用といった点が印象的でした。

続いて、CTO兼取締役会長ラリー・エリソン氏の講演で興味深かったのはマルチクラウド戦略です。AWSやAzureに対抗するのではなく共存する戦略を進めています。具体的には、AzureからOracle Cloud上のOracle Databaseをシームレスに利用できる、Oracle Database Service for Azureというサービスの紹介がありました。この発表を受けて、今後Oracle Cloudの利用ユーザの増加や、マルチクラウドに対応できるSIerが求められるのではないかと感じました。

もう一つ印象に残った内容として、「Oracle Alloy(オラクル アロイ)」という新サービスの発表がありました。これは、Oracle Cloudのプラットフォームの提供を受けて、パートナー企業が自ら運用するといった内容のサービスです。ラックのようにクラウドプラットフォーマではない企業でも、プラットフォームを運用して顧客にサービス提供できるので、独自の運用サービスとセットで提供できる点が面白いと感じました。

個別セッションでまさかの展開

基調講演以外でも様々なテーマでの個別セッションがあったので、実際に操作を体験できるハンズオンLabやOracle社のパートナー・ユーザのセッションに参加しました。

Informatica社のセッションでは、OCIの技術を使いこなしつつソリューションをどう展開しているかを説明していました。セッション終了後の質疑応答で、ある参加者が「ホスト系DBを含めたソリューションをInformaticaは提供していないのか?」と質問したところ、Informatica社ではなく他の参加者が「私はそういうソリューションを提供できるので後ほどお話しましょう」と商談の約束を取り付けたというやりとりがありました。さすが米国のIT技術者は積極性と決断スピードが違うなと感じさせられました。

また、参加者それぞれが今回のOCWで何を感じたかを述べるディスカッション形式でのセッションもあり、そのことを事前に把握せず参加したため冷や汗をかきました......。勇気を振り絞り、英語で自己紹介しつつ以下の内容をお話ししました。

  • マルチクラウドというキーワードでAWSやAzureなどとの相互乗入を進めていることは、業界全体にとってもすごくよいことだと思う
  • 私の顧客はGoogle Cloudを使っているため、ぜひGoogle Cloudとの相互接続を実現してほしい

それを受けてOracle USのファシリテータから、「確かにそうだね。近い将来そうなる可能性は高いと思います」とコメントいただきました。英語でディスカッションをし、かつ自分の英語でも何とかなるかなというささやかな自信を得られた貴重な体験でした。

ここだけの話が聞ける展示ブース

展示ブースはOracle社だけでなく、パートナー企業のブースもたくさんあり、技術者と直接ソリューションについてなど情報交換ができるようになっていました。ExadataCS on OCIのブースにはOracle USのExadataCS技術者がいたので、技術的に突っ込んだ質問を英語でしたところ、一つずつ丁寧に答えてもらえました。例えば、4半期に1度パッチ適用が実行されるという運用になっているパッチ適用について、1系と2系の適用の間に設けられる待ち時間がMAX120分である理由が聞けたのはとても興味深かったです。(ここでは書けないので興味がある方は橋本までお問い合わせください)

日本人のみの懇親会も

2日目の夜にはJapan Sessionという、日本人参加者向けにセッションのハイライトを紹介したり、パートナー同士が交流したりできる場があったので参加してきました。英語が苦手なメンバーにとっては、ホッとできるありがたいひと時です。色々な企業の方と情報交換ができ、Oracle Cloudに対する取り組み状況や今後の期待など、参考になる話を聞けました。

さいごに

今回のカンファレンスは、現地の熱量を肌で感じて直接技術者と会話するなど、現地参加ならではの体験ができたとても貴重な機会でした。英語に関しては、同時通訳の無い個別セッションは聞き取りが難しく苦労するので、ある程度の英語力がある方が参加されたほうが良いと思います。

ちなみに、ミッションの一つだった現地企業でのコネクションを作るという点は、英語が話せても困難でした。何かしら相手に興味を持ってもらえるネタが必要だったと思います。もう一つのミッションである、案件発掘に役立つ情報の入手は達成できたように感じています。

クラウド推進部では定期的にOracle社と情報交換を続けていますので、今後もOracle Cloudについて情報発信していきます!

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