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組織を横断してエンジニアの成長を支える、技術革新部の取り組み

クラウド、コンテナ、アジャイル開発、DevOps、IaC(Infrastructure as Code)、マイクロサービス、サーバレス......、システム開発を取り巻く環境は日々進化しています。ラックのシステムインテグレーションサービス事業(以下、SIS事業)では、こうしたアプリケーション開発環境の変化を先取りし、正しく最先端技術を使いこなしていくための活動をしています。

ラックのSIS事業では、技術革新部がCoEとして組織横断でエンジニアの成長を支えています。CoE(Center of Excellence)は、重要なテーマのノウハウや人材を組織横断的に集約し推進する組織を指します。技術革新部には、アジャイル開発センター、ソフトウェアエンジニアリングセンターそしてPMO(Project Management Office)教育センターの3つのセンターがあります。

今回は技術革新部の活動を中心に、ラックのSIS事業におけるCoEの取り組みについてご紹介します。

技術革新部の取り組みについて議論
技術革新部の取り組みについて議論。
左上から時計回りにCTO倉持、藤本(ソフトウエアエンジニアリングセンター)、
野間(PMO教育センター)、大沼(アジャイル開発センター)

アジャイル開発センター

ラックのアジャイル開発センターは、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応を加速する顧客企業のシステム開発ニーズに対応するため、2018年7月に設立されました。アジャイル開発センターでは、社内のアジャイル開発案件の支援と、エンジニアに対するアジャイル開発のトレーニングを実施しています。

アジャイル開発案件の支援では、各種のスクラムイベント(スプリントプランニング、スプリントレビュー、レトロスペクティブ)に参加し、進行のアドバイスや改善のためのフォローをしています。また、必要に応じて、クラウドやコンテナを利用したアプリケーション開発の技術的な支援や、テスト自動化や継続的インテグレーションのためのパイプライン環境の構築を支援しています。

最近は特に構成管理ツールとしてGitHubを利用するケースが増えており、GitHubを使った開発の進め方やGitHub Enterpriseを安全に利用する方法などについてアドバイスすることが増えています。

エンジニアに対するトレーニングは、新しくプロジェクトに参加した社員や、これからアジャイル開発に取り組んでいきたいというプロジェクトメンバーを対象に、アジャイル開発入門講座を実施しています。また、当社では新入社員研修においてもアジャイル開発を取り入れています。新入社員はプログラミングなどの基礎技術研修を踏まえて、実践トレーニングとしてチームを組んでプロダクト開発に取り組んでいきます。

アジャイル開発センターによる新入社員研修の一部
アジャイル開発センターによる新入社員研修の一部

また、在宅勤務でも気軽に相談できる「オフィスアワー」に取り組んでいます。オフィスアワーとは大学の研究室などで学生と教員のコミュニケーションを充実させるために設けられる時間帯のことです。アジャイル開発センターのオフィスアワーはオンラインで開催し、多くの社員が気軽に参加しています。技術的な質問・相談や情報交換だけでなく、雑談などのコミュニケーションが生まれており、ちょうどいい息抜きにもなっています。

ソフトウェアエンジニアリングセンター

アプリケーション開発プロジェクトは、業務SEやプログラマ、そしてプロジェクトマネージャーやITアーキテクトなど専門性を持ったメンバーによりチームが組成されます。このうち、ITアーキテクトには、システム開発における共通仕様やシステムの実現方法を検討し、運用や保守のことまで考慮した実装方針を提案し実現することが求められます。そのため、ITアーキテクトにはシステム開発におけるプログラマやシステムエンジニアとは異なった、多種多様な知識やスキルと経験が求められます。

ソフトウェアエンジニアリングセンターでは、技術的な課題に起因するプロジェクトトラブルを未然に防止するとともに、アプリケーション開発プロジェクトのアーキテクトに対する技術的な支援と、各プロジェクトで蓄積されているナレッジの横展開を図ることで競争力の向上に努めています。

さらに、社員のスキルをより一層向上させるために技術教育カリキュラムの充実に力を入れています。特に注力しているのがITアーキテクト養成講座です。「少人数でアーキテクトとして必要な技術&知識などの習得を目指す」ことを狙いとして通年で開催しています。

一般的な方式設計などのスキル習得だけでなく、ベテランのITアーキテクトが実際のプロジェクトで遭遇した課題について共有します。ITアーキテクトとしてのキャリアプランや、プロジェクトでの影響力の行使の仕方そしてITアーキテクトとして判断に迷った際の判断基準などを、ゆるやかな師弟関係を構築しながら身に着けていきます。

また、ソフトウェアエンジニアリングセンターでは、進行中のプロジェクトでの技術的な相談を受け付けています。相談内容は、提案前の技術的な実証や、開発中に遭遇するエラーの対処方法、セキュリティ対策に関することなど多岐に渡ります。蓄積されたナレッジを社内に横展開するため、社内技術共有基盤として「ラックナレッジ」を運営しています。ラックナレッジには、エンジニアやプログラミングに関するノウハウやメモを誰でも投稿可能です。カジュアルな投稿の蓄積により、社内で「○○については××さんが詳しい」というネットワークが生まれつつあります。

PMO(Project Management Office)教育センター

最後にご紹介するのはPMO教育センターです。PMO教育センターでは、社内で進行中のプロジェクトに対するレビューと、プロジェクトマネージャーの育成に取り組んでいます。経験豊富なベテランのプロジェクトマネージャーによるレビューを通じて、問題の早期発見と解消に向けた支援を提供しています。

こうしたプロジェクトレビューの蓄積を踏まえてPMの育成を実施しています。プロジェクトマネジメントに関するベストプラクティスとしてはPMBOK(Project Management Book Of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)や、資格としてはPMP(Project Management Professional)があります。

ラックではこうした業界標準のプロジェクトマネジメント技法の習得や資格取得支援に加えて、実践的なプロジェクトマネージャー育成に力を入れています。具体的にはロールプレイを通じてプロジェクトのトラブルシューティングをシミュレーションするというものです。ロールプレイには現役の事業部長や部長がお客様役として参加し、自身の経験やノウハウを伝授していきます。

PMOの役割には様々なものがあります。PMとPMOの役割には似たような部分も多いですが、大規模なプロジェクトになればなるほど、プロジェクトの成功に向けてPMOの果たす役割は大きくなります。そのため、それぞれのプロジェクトにPMOを設置するケースも多くあります。そこでPMO教育センターではPMOの育成も実施しています。プロジェクトの成功がPMやPMO個人のスキルに依存する部分も多いですが、組織としてプロジェクトの成功確率を上げていく取り組みをしています。

また、PMO教育センターでは顧客満足度調査を実施しています。組織として改善が必要な点については事業部長や部長などのラインマネージャーにフィードバックします。そしてとてもありがたいことに、顧客満足度調査でお客様から感謝の声を頂くことも多数あります。こうしたお客様からのポジティブなフィードバックを直接プロジェクトメンバーに伝えることで、良い行動をより強化する方向に作用する効果があるようです。

さいごに

今回は、ラックのSIS事業を横串で支える、アジャイル開発センター、ソフトウェアエンジニアリングセンターそしてPMO教育センターの3つのセンターについてご紹介しました。これらのセンターは単独で活動することもありますが、プロジェクトの課題やエンジニアの育成に関しては統合して取り組んでいます。実際のプロジェクトの支援を通じて、より実践的な育成のカリキュラムにフィードバックするなど、更なる改善を目指して今後も取り組んでいきます。

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