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東北大学、宇宙から"反物質"が消えた謎を探る

~アイティークルー、IBM製高性能計算機を東北大学に納入~

2011年5月24日 | プレス

国立大学法人 東北大学(所在地: 宮城県仙台市、総長: 井上明久、以下 東北大学)は、ビッグバン後の創生期の宇宙において、「反物質」が減少し、「物質」だけが残ったメカニズムを探るためのプロジェクト「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の探索」を5月より開始します。

「物質」を構成する素粒子と、その逆の電荷を持ち「反物質」を構成できる反粒子は、衝突すると消滅し、質量のすべてが光などのエネルギーに変わります。また、高いエネルギーを持った素粒子の衝突では、粒子と反粒子が対になって生成されることも実証されています。創生期の宇宙では、粒子と反粒子が衝突して消滅したり、また、生成されたりということを無限に繰り返していました。

現在この宇宙には、反物質がほとんど存在せず、すべては物質で組成されています。5月より開始するプロジェクトでは、宇宙や太陽から無数に降り注ぎ、地球上に大量に存在し、日々、物質や人間の体を通過している「ニュートリノ」という素粒子の性質を解明することで、宇宙に反物質が存在しない理由に迫ります。

当プロジェクトでは、ニュートリノが発生しない二重ベータ崩壊の現象を実際に捉えることに挑戦します。二重ベータ崩壊では、通常、不安定な原子核が崩壊し、電子と反ニュートリノが2個ずつ放出されます。しかし、電荷を持たないニュートリノは、反ニュートリノとニュートリノが同一であり、進行方向に対する回転の向きだけで区別されるという有力な仮説が長年議論されており、この仮説が真実であれば、2つの反ニュートリノ同士が打ち消し合い、反ニュートリノが発生しない現象が起こり得ます。また、この現象を捉えることで、ニュートリノと反ニュートリノの同一性を実証できます。

ニュートリノと反ニュートリノの同一性を実証すれば、反粒子が粒子に変わり得ることがわかり、粒子と反粒子の数量の比が変化することが説明できるため、初期の宇宙で物質が残り、反物質が減少していった「物質・反物質の非対称性」発現の機構を究明でき、ビッグバン後の宇宙発展の謎の解明に重要な事実を提供します。

プロジェクトでは、岐阜県神岡町の実験施設にて24時間体制で質量数136のキセノン(*)同位体の二重ベータ崩壊を観測します。また、1日当たり約800ギガバイト(GB)以上発生する観測データを分析したり、データから現象をコンピュータ上で再構成し、シミュレーションしながら、二重ベータ崩壊においてニュートリノが発生しているかどうかを確認していきます。

本プロジェクト開始にあたり、東北大学は、データ解析やシミュレーションを行うシステムを刷新しました。新システムは、日本アイ・ビー・エム株式会社 (本社:東京都中央区、社長:橋本孝之、NYSE:IBM、以下 日本IBM)のサーバーおよびストレージを採用し、株式会社アイティークルー(本社:東京都千代田区、社長: 怒和秀昭、以下 アイティークルー)が全体提案、設計、導入、構築を行い、本プロジェクトの支援を行っています。

新システムでは、複数ノードから高速アクセスが可能なIBMの分散共有ファイルシステム「General Parallel File System (GPFS™) 」を活用し、52台の計算用サーバーへのデータ転送を高速化したことで、ニュートリノの観測データの解析速度を向上させることができました。
新システムでは、200GBの大量データを高並列処理により、わずか1.4分で1度に処理でき、同データ容量を24.6分で処理していた従来のシステムより、データ処理速度が17倍以上に向上しました。これにより、1事象あたり約100キロバイト(KB)のニュートリノ観測データを平均42マイクロ秒で処理でき、1日に蓄積される800GBのデータは、6分程度で処理できます。

また、新システムの計算サーバーには、高密度設計により高い処理能力を省スペースに収め、低消費電力を実現する「IBM® System x® iDataPlex®」、観測データを蓄積するストレージには、ストリーミング入出力に最適なハイパフォーマンス・コンピューティング向け「IBM System Storage® DCS9900」が採用されました。

(*) 原子番号 54 の元素で、希ガス元素のひとつ。9種の同位体を持つ。

以上

■ アイティークルーについて

株式会社アイティークルーは、ラックホールディングス株式会社100%子会社として、2008年7月17日設立、同年8月1日に事業を開始しました。情報システム関連ハードウェア・ソフトウェアの販売および情報システム環境の設計、システム要件の定義、機器の導入、保守など、高度なSE技術力と高品質なサービスを提供しています。2009年5月25日、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001: 2008の認証を取得しました。また、今年度から新たに科学システム専任の営業、SEを組織化し、計算科学の分野に適合する先進の製品・技術・ソリューションを提供しています。長年培ってきたオープン基盤系システムエンジニアの高い技術力を活かし、計算科学システムの計画から導入・運用・保守までトータルに支援しています。
詳しくは http://www.itcrew.jp/ をご覧ください。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、GPFS、iDataPlex、System Storage、System xは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、 http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。

本件に関するお問い合せ先
株式会社アイティークルー
Tel:03-6757-0144 (営業代表) / e-mail: press@itcrew.jp
ホームページURL: http://www.itcrew.jp/

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