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Windows 11移行を社内OA環境の改善チャンスに変える

Windows 10のサポート期限は2025年10月14日までと公表されており、期限切れになるまであと約2年となりました。

Windows 11が2021年11月にリリースされてから2年が経過しました。市場全体ではWindows 11のシェアは30%強で、企業にいたってはそれよりも低く、まだまだ移行途上であることがうかがえます。すでにWindows 11へ移行済み、移行途中の企業もあれば、移行するための検証を行っている企業もあると思います。そこで、Windows 11への移行と合わせて、社内OA(Office Automation:オフィスオートメーション)環境の改善も検討してみてはいかがでしょうか。

本記事ではWindows 11へ移行と合わせて考えたい、社内OA環境の改善についてお話ししていきます。

Windows 11の変更点

改めて、Windows 11では何が変わったのか見ていきます。

変更点は大きく5つあります。

  • UIデザイン
  • 必要スペック
  • Androidアプリが使用可能
  • タブレットモード廃止
  • Internet Explorerの廃止

UIデザイン

Windows 10では左端にスタートボタンが配置されていましたが、Windows 11ではスタートメニューが中央に移動しました。スタートメニューは、タイルが廃止され、ピン留め済みとおすすめのアプリケーションがアイコンで表示されるようになりました。

またコンテキストメニューの一部がアイコンになっています。

必要スペック

Windows 11の要件は下記の表をご参照ください。

メモリやストレージ容量の要件が厳しくなっているため、Windows 10からの移行はおおよそ2018年以降に登場したPCでないと難しいかもしれません。

プロセッサ 互換性のある64ビットプロセッサまたはシステム上の2つ以上のコア(SoC)で1ギガヘルツ(GHz)以上
メモリ 4ギガバイト(GB)以上
ストレージ 64GB以上
グラフィックス Direct X 12以上
システム ファームウェア UEFI、セキュアブート対応
TPM ver2.0以上
ディスプレイ 高解像度(720p)ディスプレイ、9インチ以上のモニター、カラーチャネルあたり8ビット

Androidアプリが使用可能

AndroidアプリをWindows 11上で利用できるようになりました。

タブレットモード廃止

デスクトップやノートPCではタブレットモードは廃止されますが、タッチスクリーンデバイスでの利用はできます。タブレットとして利用する場合、外付けキーボードの付け外しでオンオフが自動的に切り替わります。

Internet Explorerの廃止

標準ブラウザとしてMicrosoft Edgeのみがインストールされています。

※ Internet Explorerは2022年6月15日にサポートを終了しています。使用中の方は早急にMicrosoft Edgeなどのブラウザ移行を行ってください。

古いOSを使い続けることの問題点

Windows 10に限らず、サポートが終了した古いOSを使用し続けることに対して、多くの企業が警告を発しています。

なぜサポートが終了した製品の使用を止めるよう訴えているのでしょうか。

理由1:残存するセキュリティホールが、サイバー攻撃の突破口として悪用される可能性がある

サイバー攻撃は自然発生的に起こるものではありません。悪意のある人物や組織が、何らかの意図をもって攻撃を行います。

セキュリティアップデートが行われていない、またはネットワーク上でセキュリティ対策が行われていない場合、脆弱性をついたサイバー攻撃は深刻な被害に繋がります。

理由2:ソフトウェアやツールのサポート対象からWindows 10が外れることで、最新バージョンのメリットが享受できない

メーカーは自社ソフトウェアのバージョンアップや新バージョンの公開にあわせて、サポートを終了したOSは動作要件から外すことが多いです。業務で使用するソフトウェアを安定的に、継続的に使用できるようOSもまたバージョンアップをしていきます。

Windows 11移行と合わせて考えたいこと

Windows 11に移行するには、機能を確認し移行に必要な作業を洗い出して、計画的に実施する必要があります。

あわせて、社内OA環境やインフラが対応していることの確認もしていくので、この機会に社内OA環境の将来像を考えてみてはいかがでしょうか。なお、具体的に私たちがサポートできる社内OA環境の改善項目の例を、下記に挙げてみました。

社内OA環境を見直す5つのポイント「認証基盤」「リモートアクセス環境」「デバイス認証、多要素認証」「ネットワーク認証」「インターネットアクセス」
社内OA環境を見直すポイント

社内OA環境の利便性向上

リモートワーク環境を導入しどこでも働ける環境を実現します。すでに導入済みのお客様には環境の改善をします。合わせてLAN、WAN、インターネット環境を改善し社内全体のパフォーマンスの底上げを行います。

※ 一部でオフィス回帰をする動きはありますが、それはリモートワークができない状態に戻すことではありません。

さらに、Windows 11の機能活用に合わせて、より適切なインフラ機器、ソリューションの選択を行うことで、セキュリティを向上させつつ利便性も向上することで社員のエンゲージメントも向上させます。

セキュリティの向上

ゼロトラストモデルによるセキュリティの向上策が考えられます。

組織のデバイスを信頼できるネットワークにだけ接続させるように制限すること、デバイス認証によるアクセス制御を行うこと、システムへのアクセスやリモートアクセス接続がIDとパスワードだけによる本人確認で、なりすましの危険性が高い環境では多要素認証を使用することも考えられます。

認証基盤のイメージ

また、デバイスの安全対策として、クライアントの監視やログ分析から攻撃を検知するEDRを使用すること、不確実なセキュリティパッチ適用を確実な適用に変えていくことでサイバーレジリエンス(サイバー攻撃への対応能力)を強化します。

情報システム部門の負荷軽減

デバイスを管理するツールを導入することで、デバイスの状態やポリシーの適用状況を可視化し、イレギュラーなデバイスを認識できるようにします。さらに、イレギュラーなデバイスを是正するため、ポリシー適用やパッチ適用は自動化することを考えます。

ログの監視や分析が自社で困難である場合、マネージドサービスの活用やクラウドサービスを活用した外部委託を検討します。

おわりに

Windows 11への移行は、社内OA環境を見直すとても良い機会にもなります。しかし自社だけで進めるには、的確な戦略と計画作りが難しい、対応する人員やノウハウが不足しているといったこともあるのではないでしょうか。

ラックでは、Windows 11移行計画の策定と移行支援、社内OA環境改善のコンサルティングを行っています。セキュリティの専門家ならではの知見を加えた戦略と計画作りにより、お客様が目指す社内OA環境の実現に貢献します。少しでもお悩みのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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