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【カスタマーストーリー】慶應にとって青天の霹靂だったコロナ禍、集う精鋭が実現した最新ITによるデジタル改革

「カスタマーストーリー」では、ラックとの関係の深いお客様やパートナーの事業活動を紹介いたします。


2020年4月7日、日本政府による緊急事態宣言が発令され、学校法人である慶應義塾は対応に追われた。紙に依存した業務を多く抱える同法人にとって、多くの職員が出勤できないという状況はまさに危機そのものであった。それを回避した立役者は、ITによる業務効率化を担当するデジタルアドミニストレーションオフィスの精鋭だった。慶應義塾が選択したその方法はいかに。

想定外の事態に慶應が決断したデジタルアドミニストレーションへの変革

慶應義塾は、小学校から大学まで経営する学校法人です。約1,000人の事務職員が学校運営に携わっており、多くの生徒、学生、研究者、教職員の学び舎を維持しています。

4月は例年、さわやかな春の日に新年度が始まり、新しい出会いや挑戦に胸を膨らませた学生が、学び舎に集う大切な月です。しかし、2020年はこれまでとは全く異なりました。新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言により、学校のあらゆる行事が行えず、職員の出勤にも制限が課されたためです。

デジタルアドミニストレーションオフィス 課長 下山千尋氏

当時のことを、デジタルアドミニストレーションオフィスの課長を務める下山千尋氏は

まさに青天の霹靂であり、想定しえないものでした。

と振り返ります。

慶應義塾は、かの福澤諭吉が1858年に開いた蘭学塾を起源とした学校法人です。伝統と歴史を尊重した教育方針は高い評価を受けているものの、業務の仕組みには過去から変わらないものが多くあります。そこで、下山氏が在籍していた経営改革推進室は、2019年6月からデジタルトランスフォーメーション(DX)実現への布石として、ITによる業務効率化に着手します。現在は「デジタルアドミニストレーションオフィス」と名前を変えて、慶應義塾の業務変革を推進しています。

個人PCを組織ネットワークに接続させることによるセキュリティリスクが発生

当初は準備室として、少ない仲間とともにDXについての理解を深めるとともに、DXを見据えたプランを検討していました。しかし、学校運営の効率化やデータ解析の在り方などを調査するさなか、2020年1月に新型コロナウイルス感染症が話題となり始め、下山氏はIT活用の立場から対応策を検討することになったのです。国内の感染者が増えるにつれて、危機感が高まっていきました。ロックダウンが現実となる可能性があることから、2月にはテレワークの準備を始めました。3月には試験的に在宅勤務がはじまり、4月には緊急事態宣言を受けて、信濃町キャンパス・慶應義塾大学病院を除き、キャンパスを閉鎖することになりました。

当初は、すでに導入していたVPNを利用し、職員のテレワークを実現しようと考えましたが、職員から「回線速度が遅い」と不満の声が出てきました。また、職員にテレワーク専用のコンピュータを即時に提供できないことから、職員の自宅にある個人のPCを使用するBYOD(Bring Your Own Device)を採用することを決定しました。しかし、個人のコンピュータを慶應義塾の組織ネットワークに直接接続させる形態はセキュリティ的にも好ましくなく、代替案を模索することになりました。

そこでテレワーク導入の際に導入を検討したツール「TeamViewer」の調査を改めて開始しました。

専用ツールの導入でセキュリティ不安を解消し、スムーズにテレワークに移行

さらに詳しく知るにはこちら

TeamViewer

TeamViewerは、遠隔地で動いているコンピュータを操作するリモートアクセスソリューションです。リモートアクセスが優れている理由は、職員のコンピュータに最小限の設定をするだけで、遠隔地から今使っているコンピュータを操作できることです。

さらに詳しく知るにはこちら

TeamViewer

リモートアクセスは、遠隔操作するコンピュータの画面だけが送られてくる仕組みです。VPNなどBYODの機器を企業ネットワークに直接接続しなくても良いことから、当初のテレワークにおけるセキュリティの懸念は解決できそうでした。

デジタルアドミニストレーションオフィス 課長 下山千尋氏

検討に際して、Webブラウザを活用したSSL-VPN接続や、安価なリモートアクセス用製品なども考えました。しかし、低速帯域でのパフォーマンスや、利用者数や実績の豊富さ、セットアップや使い方が容易であること、そしてサポートがしっかりしている点を重視し、TeamViewerを選定しました。

* TeamViewer インストレーション詳細ガイド

導入に当たって下山氏は、

TeamViewerは自宅のPCから学内のPCにリモートでアクセスできます。セキュリティを確保するため、ファイルは閲覧のみで転送は不可にするなどの制限をしました。そのほか、毎日決まった時間にライセンスを無効にして無駄な利用を避けるなど、使い勝手を損なわずにセキュリティを確保できるよう考慮しました。

と振り返りました。

* TeamViewerを理解し安全に使用するための「TeamViewerセキュリティふかぼりガイド」を公開!

TeamViewerの導入により、在宅勤務において学内PCに接続し、不安なく業務を遂行できるようになりました。紙に依存した業務も残るため、完全なテレワークは困難としても、新型コロナ対策と業務の効率化は十分に成果が出ているとのことです。

慶應が学校法人によるDX実施の模範となる

テレワークの推進をリードしたデジタルアドミニストレーションオフィスは、まさに組織のITプロジェクトをけん引していく部署であり、組織を俯瞰しながらIT環境を整備することを使命としています。

下山氏は、

学校法人には依然として紙に依存した業務が多く残っています。しかし、このままではDXは実現できません。業務を見直し、老朽化してゆくITシステムを刷新し、データを活用した学校法人となるべく、取り組んでいます。

とこれからを語ります。

期せずして、DXに向けた取り組みが、コロナ禍によるテレワークの実践からスタートした慶應義塾。働き方の変化や遠隔地ならではの情報のデジタル化など、職員の意識の変化にも良い影響があると見込まれます。慶應義塾の目的にある言葉、「我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらん」に示されるように、学校法人のDX化における模範となる取り組みに注目が集まります。

より詳しく知るにはこちら

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ラックは、リモート接続を活用したソリューションとセキュリティ対策により、変革を進める企業の攻めのIT活用を支援する「TeamViewer」を提供しています。

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