一般的なサーバの負荷分散技術のひとつに、DNSラウンドロビンという手法がある。ひとつのドメイン名に複数のIPアドレスを割り当てることによって、単一のサーバのみにアクセスが集中するのを抑止し、多数のサーバでリクエストを受け取るという問題解決手法である。他方で、今年はこの手法が悪意のあるサイト(主にフィッシングサイトなど)の運営に、この技術が悪用されるようになった。
ファストフラックスでは、乗っ取った複数のPC(ゾンビPC)のIPアドレスと、悪意のあるサイトのドメイン名を結びつける。このときゾンビPCはプロキシの役割を担っており、悪意のあるサイトにはこのゾンビPCを経由してアクセスさせる。これにより、誘導されるユーザからはゾンビPC上で悪意のあるサイトがホスティングされているよう、論理的なアクセスが行われる。このため、対策としてゾンビPCがシャットダウンされても、本来の悪性サイトへの誘導が成功するようになる。
さらにここで、途中で経由するゾンビPCを頻繁に入れ替えさせることによって、悪意のあるサイトの所在をより特定されにくくし、また仮にひとつのゾンビPCをシャットダウンされても、アクセスされるようにしている。こうして犯罪者達は自分たちの「ビジネス」を持続性の高いものにしようとしているのだ。




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